三宅一生氏が企画・コスチュームデザインを担当した「青森大学男子新体操部」公演が開催

演目のテーマは「舞い上がる身体、飛翔する魂」。会場を大きな水のかたまりに見立て、岩やエビなど大自然の驚異や海に棲むさまざまな生物や人間が進化していく様子を描いたストーリーが展開された。青森大学新体操部が持つオリジナルの演目と今回のためにエズラロウ氏が振りつけた演目を交互に組み合わせながら、繊細かつダイナミックに15の演目を披露。2600人を超える観客を魅了した。

エズラロウ氏は今回の演出について「いま世界中にはネガティブなメッセージがあふれかえっている。体操、ダンス、音楽などの表現を通して人間の内側から生まれてくる幸福感やエネルギーで、世の中の人々を励ますことができれば」と話した。

オリジナルコスチュームの制作を担当したのは、2013秋冬シーズンからローンチ予定のブランド「HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE」。同ブランドは現代の男性のための新しい日常着をコンセプトに素材研究と衣服づくりを行っている。

当日は演目に合わせてさまざまなコスチュームが披露された。コスチューム制作チームと選手は青森と東京を行き来し、試行錯誤の開発が続いたという。

照明には海藤春樹氏、モーショングラフィックスには中村勇吾氏、そして音楽にISSEY MIYAKE AUTUMN WINTER 2012から3度に渡って、パリコレクションのショー音楽を担当したOpen Reel Ensemble、ミュージック・スーパーヴィジョンに畑中正人氏、そしてドキュメンタリーフィルムのディレクションに中野裕之氏が参加した。

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音楽を手がけたのはOpen Reel Ensemble。演技するフロアには選手らの動きに合わせてさまざまな映像が投影された。

演技終了後、中田氏は男子新体操の今後について次のように語った。「新体操は毎日同じことを練習で繰り返し、積み重ねで作品をつくっていく地味で厳しいスポーツ。でも完成したときには、多くの人に感動を与える自信があります。これまでも認知度を高めるために日々考えてきたけれど、なかなかうまくいかなかった。今回の公演をきっかけにもっと多くの人に私たちの演技を見てもらう場所と“自分もやってみたい”と思う人が増えることを期待します」。

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「身体とスピリットが分離し、身体としての服が残る」ことを表現した最後のシーン。

青森大学新体操部は2013年12月から翌1月末まで、オランダ、ドイツへの招聘が決定しており、2014年2月7、8日に青森市での公演への参加が予定されている。

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