日本、米国、英国では景況感が改善、中国は悪化/太陽ASGグループによる世界44か国『景況感』意識調査から

会計コンサルティングの太陽ASGグループは第17回「中堅企業経営者『景況感』意識調査」を発表した。調査実施期間は2013年5月、世界44カ国で同時調査を行った。調査結果は、DI(バランス統計手法Diffusion Index)を景気判断DI「良い」との回答比率から「悪い」との回答比率を引いた景況感を示す指数で表される。

世界44カ国の自国経済の今後一年の見通しについて、2013年1月~2月に行った前回調査から大きな変動はなく、2012年5月からは4ポイント改善となり、27という値になっている。また、調査対象国のうち、G7、アジア太平洋諸国など日本とのつながりが大きい主要26カ国におけるDIは23となり、前期比3ポイント悪化、前年同期比6ポイント改善した。

日本の中堅企業経営者の景況感は大きく改善

日本の中堅企業の経営者に、今後一年間の日本の経済の見通しについて尋ねたところ、「たいへん楽観的だ」「少し楽観的だ」の合計は、33.3% で前期比1.9ポイント増。一方、「たいへん悲観的」「少し悲観的」の合計は24.8%で前期比7.6ポイント減。今回の景況感DIは 8で、前期比10ポイント改善。前年同期比では49ポイント改善した。

このうち「たいへん楽観的だ」「少し楽観的だ」の回答者に、今後一年間の日本の経済の見通しについて「楽観的だ」と考える理由(複数回答)を尋ねたところ、「株価の上昇」(62.9%)、「円安の進行」(54.3%)、「現政権の政策」(51.4%)等が挙げられた。他方、「たいへん悲観的だ」「少し悲観的だ」の回答者に、その理由(複数回答)を尋ねたところ、「内需縮小」(53.8%)、「世界経済の影響」(42.3%)、「販売価格の下落」(34.6%)等が挙げられた。

世界で景況感のとらえ方に大きな開き

今回調査で、主要国のうち景況感DIが高い国は、チリ88、フィリピン84、インド75、米国55など。他方、景況感DIが低い国はスペイン-50、フランス-46、イタリア-20などとなっている。
景況感DIが大きく改善した国は、英国(前期比+35)、米国(同+24)、ギリシャ(同+18)、日本(+10)等が挙げられる。一方、ベトナム(同-36)、アルゼンチン(同-29)、ロシア(同-25)、中国(-21)等では景況感DIが悪化した。
地域別、グループ別に、同DIの前期比の動向をみると、G7諸国(前期比+10)で景況感が改善している一方、BRICs諸国(同-25)、アジア太平洋地域(日本除く11か国)(同-10)、ラテンアメリカ諸国(同-10)では景況感が悪化した。
今回の調査において、世界の2大経済圏である米国と中国は対照的な結果を示した。EU諸国など主要な市場の不振により、中国の輸出伸び率は、5月には1%増にとどまり、中国の景況感は、中国で調査を開始した2006年(2005年第4四半期)以来、最も悪い結果となった。一方、米国の景況感DI 55は、2004年のDI 78、2005年のDI 62に次ぐ、本調査開始以来3番目によい結果となった。

written by kouhoukaigi

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