前回は、企業の多くの「ウェブプロモーション」は一回目のインパクトを重視したもの(≒花火)であり、Sumallyのような「ウェブサービス」はユーザーの継続的なコミットを設計するもの(≒盆栽)という両者の違いに関する話をしました。
その延長で、今回はウェブ上において、企業が(自社のために)つくるメディア「オウンドメディア」と、多くのユーザーが存在する前提で設計された場「プラットホーム」の違いについて書いてみたいと思います。
Sumallyのようなプラットホームは、基本的に多くのユーザーが集まることを目的としています。ソーシャルというカテゴリにおいては、Facebookもそうですし、Twitter、mixiなどもそうです。メディアというカテゴリでは、ニコニコ動画やクックパッド、食べログ、NAVERまとめなども同じ目的で運営されています。これらのサービスのベースにあるのは、一にも二にもとにかくユーザーオリエンテッド。ユーザーに何度もその場所にきてもらうことが第一の目的で、収益化を考えるのはそのあとです。前回のトピックであったキャンペーンサイトをブランドの世界を体験する「直営店」とすれば、こちらはリアルの世界で例えると「街」であったり、「学校」だったりします。
無印良品の「My MUJI」やZOZOTOWNのスタートトゥディが今夏ローンチ予定の「wear.jp」のようなソーシャルサービス、メディア的なものであればLVMHの「NOWNESS」など、ブランドが主体となったいわゆる「オウンドメディア」も近年、次々と登場しています。日本コカ・コーラも6月に自社サイトを「Coca-Cola Journey」としてウェブマガジンのスタイルにリニューアルしました。リアルの世界でも5月にレクサスが雑誌「BEYOND」をローンチしたり、(フランフランを運営する)バルスが「MAISHA」を発行したりしています。