世界で流れるCMはどのように生まれるのか?

“Think Big”

僕らは選ばれなかった。全チームから出た全案と、最終プレゼンブツをもらって、改めて読み込んだ。CHIAT内のチーム、アムステルダムのチーム、アルゼンチンのチーム…そして僕たち日本チーム。さまざまなチームから集まった100を超える案から、プレゼンされることになった5案に共通していたことがあるとすれば、それは「スケールの大きさ」だった。正直なところ、これ予算いくらかかるのか? 実現できるのか? という案もあったけれど、それがグローバル・ブランドのTVCMということ。そう、そして、CHIATにいるクリエイターはみんなそのスケールの大きさをめざしてCHIATにやってきたのだ。ううむ、僕らの案はスケールが足りなかったか、ブリーフィングで聞いたブランドの精神を案に反映させようとしすぎたのか…。

などと、悶々とした日々を送っていたところ、ジョンが数日後に僕らの席を横切った。あいさつすると、ジョンは「先週はありがとう。あの◯◯の案よかったよ。ブランドらしさを表現できていてさ。次の機会にプレゼンするかもしれないね」と言ってくれた。少なくとも、全然ダメだったというわけではなさそう。少しほっとして、そしてまたがんばろう!という気になれた。ブランドを考え抜いてよかった。次は、もっとスケール大きく考えてやる。

僕も日本に帰ったらCDだけど、CDからこんな風にフィードバックを直接することは、精神的な意味でも予想以上に大事だなと反省した。若い頃の気持ちを忘れかけていたな。

で、ほっとしたからか。その週末、二人とも高熱を出して寝込んでしまったのだった(もう回復しました)。

僕らの席は、みんなが通る通路ぞいにある。
僕らの席は、みんなが通る通路ぞいにある。声をかけたりかけられたりしやすく得をしてるかも。

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原田 朋(TBWA\HAKUHODO クリエイティブディレクター)
原田 朋(TBWA\HAKUHODO クリエイティブディレクター)

1972年生まれ。博報堂入社後コピーライターとして配属され、2010年からTBWA\HAKUHODOクリエイティブディレクター。主な仕事に、講談社スティーブ・ジョブズ自伝「みんなのしおり.jp」、日産自動車ジューク「世界一退屈なバナー広告」、日産自動車ノート「海上発表会」、キリンビバレッジ「出た!生茶パンダ先生」など。カンヌサイバー部門ブロンズ、TIAAシルバーなど受賞多数。2012年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。

http://www.dislab.jp/#/dna/tomoki.harada

原田 朋(TBWA\HAKUHODO クリエイティブディレクター)

1972年生まれ。博報堂入社後コピーライターとして配属され、2010年からTBWA\HAKUHODOクリエイティブディレクター。主な仕事に、講談社スティーブ・ジョブズ自伝「みんなのしおり.jp」、日産自動車ジューク「世界一退屈なバナー広告」、日産自動車ノート「海上発表会」、キリンビバレッジ「出た!生茶パンダ先生」など。カンヌサイバー部門ブロンズ、TIAAシルバーなど受賞多数。2012年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。

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