話題になった書籍「生協の白石さん」など、メディアに取り上げていただけるようになったのも、この頃です。独特なネーミングや、「30円でこのボリュームはお得」というような商品スペックについての紹介が多く、「小腹がすいたときにちょうど良い」とよく言われるようになりました。販売店の方も自作のPOPなどを作成するなど、店頭でアピールしてくださっている店舗も見かけるようになりました。
こうした露出の増加が消費者の認知拡大につながったのはもちろん、若い世代の方に支持され、口コミで話題が広がったことも売上が伸びた要因の一つだと思います。当時、携帯電話やメールが普及した時期も重なりますので、口コミもそういった便利なツールを利用して、より拡散したのではないかと考えています。
当社ではお菓子に対して“ファンレター”をいただくことがあるのですが、当時からブラックサンダーは数多くのファンレターをいただいており、特に若い女性からいただくことが多い商品でした。当社が若い方々に支持されていると実感したのも、このような実体験があってのことです。
<販売数量グラフ>
考えてもいないようなペースで販売量が伸び続け、毎年、増産のための工場設備強化をしましたが、なかなかお客さまの期待に追いつかない状況が続きました。2008年には2交代制に踏み切ることを決断したのですが、それでは単純に生産量が倍になってしまいます。
営業サイドとしては「本当に、それだけの量を販売できるだろうか…」と、とても不安な状況でした。しかし皆さんご存知のように、あの体操のメダリストになった選手が「大好物」と言ってくれたことも幸いし、その年さらに急激に売上を伸ばすことになりました。私たちの心配をよそに多くのご注文をいただき、順調に販売することができたのです。
ありがたいことに、一過性のお祭り騒ぎで終わり、販売数量が落ちていく…ことなく、微増ではありますが以後も販売数量は伸び続けています。また派生商品についても認知していただき、それぞれがヒット商品として定着しています。
<派生製品紹介>
私たちの思いもよらないところで話題が広がり、売上をどんどん伸ばしていく「ブラックサンダー」。時には欠品状態に陥り、多くの方にご迷惑をお掛けしました。しかし本当にありがたいことに、多くの人の応援によって支えられてきました。
次回は、マーケティング部が創設され、ようやく自分たちの手で始めた「ブラックサンダー」のプロモーション活動について、詳しく書きたいと思います。