各地の広告協会から地域を元気に【1】(北海道~新潟)

広告界の業界団体である公益社団法人全日本広告連盟(全広連)が今年10月、創立60周年を迎えるに当たり、記念大会が5月に青森で開かれました。この企画は全広連と来春60周年を迎える宣伝会議とのコラボレーションの一環で、青森大会のレポートや地域ごとの取り組みを紹介します。

全日本広告連盟は全国37の地域広告協会で構成されます。広告協会は広告主、広告業、媒体社ら地域広告界の主要構成員が会員となり、広告賞ほか顕彰制度や懇親など、それぞれ地域に根ざした活動を展開しています。全37の広告協会のいまの取り組みや、地域経済・広告界の動きを紹介します。

【全北海道】新幹線の延伸で新規需要に期待

北海道は、2015年度末に北海道新幹線新青森―新函館(仮称)が開業予定で、昨年札幌への延伸も決定した。まずは、函館までの開業が3年を切るということで、東北と連携した取り組みが活発化してきている。札幌延伸は2035年であるが、開業後は毎年1400億円の新規需要を生むと期待している。

一方で、農業王国北海道としては、現在政府が進めているTPP交渉の推移について、交渉状況によっては大打撃があるのではと憂慮を持ってみられている。(全北海道広告協会)

【青森】全広連大会開催で地域の魅力再確認

青森広告協会は、昭和46年に設立された全広連27番目の協会です。一昨年創立40周年を記念して「全広連秋のシンポジウム」を開催、ブランド力と広告コミュニケーションの大切さを再認識いたしました。このシンポが全広連青森大会へのスタートであり、弾みとなりました。

普段の協会活動は通常総会、秋の研修旅行会、春の広告研修会などを開催し、その時々の広告トレンドや地場の元気な企業活動を研修しています。中でも名物イベントとして7月には津軽海峡で「イカ釣り大会」を開き、会員の親睦も実施しております。

5月の全広連青森大会は、全国の皆様ご協力を賜り開催することができました。ありがとうございます。地元では、企業の垣根を越えて一大イベントができた自信と、青森の自然、文化、食材を皆様に喜んでいただいた様子を拝見し、あらためて地元資源の魅力を再確認できました。貴重な経験とせっかくの盛り上がりを、今後活かしてまいりたいと思います。(青森広告協会)

【岩手】「平泉」「あまちゃん」で活気

東日本大震災から2年が経ち、県内経済は復旧復興関連の需要が本格化しつつあり、回復基調になってきています。当協会の事業のひとつである第44回岩手広告賞・広告美術展入賞作品の県内巡回展が6月で終了、7月に盛岡市内のホテルで表彰式を開催しました。協会主催の講演会は秋と新春に開催します。

本県の観光は、県南部の「平泉の世界文化遺産」がけん引し、沿岸北部の久慈地域は、4月から始まったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台で盛り上がっています。(岩手広告協会)

【仙台】3年後に大会開催 ダブル受賞に沸く

表彰を受ける一力雅彦・河北新報社社長(左)と、間庭洋・仙台商工会議所専務理事(右)

何と言っても最大の栄誉は、5月青森市で開催された「第61回全広連青森大会」で当協会出品「ありがとうの詩プロジェクト(河北新報社ありがとうの詩キャンペーン)」が栄えある第7回全広連鈴木三郎助大賞を頂いたことです。さらに新設された「第1回全広連日本宣伝賞特別賞」を「東北六魂祭実行委員会」が受賞、代表として当協会会員でもある仙台商工会議所・間庭洋専務理事が表彰を受けられ、ダブル受賞の快挙に協会挙げて大感激でした。

関係各位に感謝申し上げると共に、2016年開催の全広連仙台大会に向け皆様に喜んで頂けるよう万全を期していきたいと思います。(仙台広告協会)

【秋田】2014年秋に国民文化祭開催へ

秋田広告協会の主な事業は、毎年4~5月に実施している秋田広告協会賞の選考・授与と、秋口に他団体と共催する講演会がある。現在は、協会賞の応募推進と権威向上に向けたプランを練っているところだ。

人口減少と高齢化の進行が顕著な秋田県だが、今秋のJRによるデスティネーションキャンペーンのほか、2014年10月から11月にかけて予定している国民文化祭などを起爆剤とした地域経済力の充実、そして広告業界の活力回復に向け邁進している。(秋田広告協会)

【山形】地域経済、徐々に好転へ

山形広告協会は、7月3日に通常総会を開催した。総会終了後に、山形広告賞の贈呈式、懇親会を行った。今後は、秋に開催の山形広告セミナーに向け、準備を始めているところだ。

日銀山形事務所によると、山形県内の経済概況(月例)は、ゲーム機や家電向けの生産が減少する一方、自動車やスマートフォン(多機能携帯電話)の関連部品が好調、建設関連も高い生産水準が続いている。3月の新設住宅着工戸数は7カ月連続で増加している。消費税引き上げを前に需要が増えた。(山形広告協会)

【福島】「東北六魂祭」で復興に手応え

6月1日~2日の2日間、福島県福島市において、東北の六大祭りが一堂に会する「東北六魂祭2013福島」が開催された。

仙台市、盛岡市に引き続き3度目の開催となった福島市では、約1キロにおよぶ6大祭りパレードおよび街全体に広がった各会場で行われた催しに全国から25万人が詰め掛け、復興への確かな手応えをつかんだ。(福島広告協会)

【千葉】千葉県も“節目の年”に

全広連60周年おめでとうございます。千葉広告協会は、この7月で53周年を迎えます。

本県も、国内有数の世界的テーマパークの開園30周年(4月)や、成田国際空港の開港35周年(5月)など、節目の年となりました。

一方、これまで増加の一途だった県人口が昨年、統計開始以来初めて減少するなど、県勢を不安視する声もあります。東日本大震災では千葉県も被災地となりました。復興に向けて動き出した今こそ「広告の力」で地域活性化につなげたいと思います。(千葉広告協会)

【東京】全広連の中核体として、各種活動を展開

東京広告協会は、会員および一般、学生に向けた特別講演会、新人アドマン養成講座や広告問題研修会などで知見を広めるとともに、大学生意識調査プロジェクトや大学生広告制作講座への指導など人材育成にも力を入れている。また、高校教諭への広告研修会や学校教科書における広告関係記述調査、広告法規マニュアルの発行など啓発活動を行っている。

このほか、公益社団法人全日本広告連盟の中核体として、海外広告研修団の派遣など国際活動も続けている。(東京広告協会)

【横浜】独自性確立に取り組む

横浜広告協会は全国で19番目の協会として、1967年10月に設立され、県内の著名な財界人、マスコミ、広告関係者など現在69社104人で組織し「地元経済の自立と向上に寄与」を目指して活動しています。

活動の中心は、記念講演会、企業見学会、会員の交流などで、近年課題の多メディア化の対応などに取り組んでいます。

支店経済から脱却できないハマ経済ですが、課題に取り組み、かつ独自性を確立するための中心的役割を横浜広告協会が担っています。(横浜広告協会)

【新潟】新潟広告賞、「マンガ王国」に栄冠

新潟広告協会の最大の事業「新潟広告賞」は3月28日に54回目の表彰式を実施した。新聞広告、テレビCM、ラジオCM、グラフィック、インターネットの5部門に201点の応募があった。

グランプリには、新潟日報創刊70周年記念「漫画家が描くふるさと新潟 新潟マンガ王国」が選ばれた。原龍一郎審査委員長(相模女子大教授)は「新潟に故郷をもつ漫画家を一堂に集めた企画広告で、インターネットなどの書き込みが非常に多くいろんなところで話題になった。新潟を動かした広告キャンペーンになったと評価した」と講評した。(新潟広告協会)


全日本広告連盟
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