第1回「全広連日本宣伝賞」贈呈 広告界の功労者ねぎらう

広告界の業界団体である公益社団法人全日本広告連盟(全広連)が今年10月、創立60周年を迎えるに当たり、記念大会が5月に青森で開かれました。この企画は全広連と来春60周年を迎える宣伝会議とのコラボレーションの一環で、青森大会のレポートや地域ごとの取り組みを紹介します。

幻冬舎・見城社長「宣伝部は私一人」

広告主、メディア、広告会社、クリエイターとそれぞれ異なる立場から、広告界の発展に貢献した個人や団体を顕彰する「日本宣伝賞」がこのほどリニューアルし、5月15日の青森大会で初めての贈呈式が開かれた。広告主対象の「松下賞」はトヨタ自動車の豊田章男社長が、メディア対象の「正力賞」は幻冬舎の見城徹社長、広告関連会社対象の「吉田賞」は凸版印刷の足立直樹会長、クリエイター対象の「山名賞」は挿絵画家でグラフィックデザイナーの宇野亜喜良氏、また「特別賞」には東北六魂祭実行委員会がそれぞれ選ばれた。

日本宣伝賞は、日本宣伝クラブが1956(昭和31)年から実施してきた広告界の顕彰制度で、全広連が公益目的事業として運営を引き継いだ。

松下賞を受賞したトヨタ自動車の豊田章男社長(トヨタマーケティングジャパン・河本二郎副社長が代読)は東日本大震災後に始めた「ReBorn(リボーン)」キャンペーンを挙げ「自動車産業が日本を元気にするという思いで取り組んでいきたい」とコメントした。

正力賞の幻冬舎・見城徹社長は「宣伝部は私一人。いかに効率的で戦略的な広告を展開するか日夜考えている。新聞広告がなければいまの会社はない」と述べた。吉田賞の凸版印刷・足立直樹会長は、「受賞は印刷業界にいる者としてうれしく思う。今後も印刷を通して広告界の発展に貢献したい」、山名賞の宇野亜喜良氏は「賞をいただいて、まだまだやれるんじゃないかと思った」と話した。

特別賞の東北六魂祭は、2011年3月11日に東日本大震災で東北地方が自粛ムードや風評被害に苦しむ中、地域経済の復興のきっかけにしようと始めたもの。青森ねぶた祭、秋田竿灯(かんとう)まつり、山形花笠まつり、盛岡さんさ踊り、仙台七夕まつり、福島わらじまつりの東北を代表する6つの祭りが競演する。仙台市、盛岡市に続いて、2013年6月には福島市で開かれた。

仙台商工会議所の間庭洋専務理事は、東北六魂祭実行委員会を代表して壇上に立ち、「数十年後、数百年後に、あの大震災から始まった祭りだと言われるように継続していきたい」と喜びを表した。

(左から)河本二郎氏(トヨタマーケティングジャパン副社長)、見城徹氏、大平明全広連理事長、足立直樹氏、宇野亜喜良氏、間庭洋氏(仙台商工会議所専務理事)

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