博報堂は昨年12月に発足した「フードロス・チャレンジ・プロジェクト」の第2期の活動に向けて、参加企業・団体の募集を8月13日よりスタートした。同プロジェクトは、まだ食べられる食料がバリューチェーンの各段階においてロス・廃棄されている問題(=フードロス)に取り組むもので、多様な領域の関係者による共創型のアプローチによって、解決に向けチャレンジしていく。
第1期では味の素、ニチレイフーズ、モスフードサービス、東芝テックの4社がプロジェクトに賛同し、生活者、事業者、NPO、学識者などを加えた合計約40名から構成される多様な領域の関係者(マルチステークホルダー)と共に活動してきた。
食の生産~事業~消費~廃棄のプロセスを観察する「スタディ・ツアー」では、農業生産法人、水産加工会社、スーパーマーケット、ホテル、外食、生活者の家庭などそれぞれの場で、フードロスが生まれる現状と背景をリサーチ。ツアーで得た学びを元にワークショップを実施、現在、各参加者がそれぞれの知見を活かしたアイデアを検討中している段階だという。
プロジェクトの第2期では、アイデア開発と実施・拡散のプロセスをさらに強化した「インキュベーション・プログラム」を提供していく。ソーシャルデザインに関わるオンラインコミュニティ「greenz.jp」を運営する「NPO法人グリーンズ」と協力体制を築き、コミュニティ会員と議論を重ね、より多くのアイデアを実行に移していきたいという。その他、シンポジウムイベントの実施や、賞味期限が迫った商品を協賛メーカーから提供してもらい賞味期限と消費期限に関する正しい理解と啓発を促す「サルベージ・グロッサリー・マーケット」の開催などを考えているという。
第1期の活動の中から生まれた企画アイデアとしては、今年7月に実施された、冷蔵庫に残っている食材を使ったシェアパーティ「サルパ!(サルベージパーティー)」がある。「冷蔵庫に残った食材を有効に活用するヒントを皆で学ぶことで、フードロスを減らそう」という企画をフードオーガナイザーが提案、参加者20名が各自家庭から持ち寄った食材を、シェフが即興で調理しながら、食材を無駄なく美味しくいただくためのアドバイスを行った。
第2期スタートに向けた、プロジェクトへの参加方法は、同プロジェクトのWebサイトに記載されている。