電通は26日、バリアフリーやユニバーサルデザイン(UD)のコンサルティングなどを手がける「ミライロ」と、UD領域のビジネス開発に関して業務提携契約を締結したと発表した。
UDとは、年齢や障がいの有無に関わらず、すべての人にとって使いやすいように意図してつくられた製品・情報・環境のデザインのこと。
今回の業務提携の背景には、6月19日に公布された「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正法などにより障がい者の社会進出に向けた取り組みが加速していること、また日本社会において高齢化が急速に進行していることがある。こうしたなか、UDの必要性の高まりとともに、市場としての規模も急速に拡大していくと予測されることから、電通はUD領域を新たなビジネスフロンティアと位置づけ、今回の提携に踏み切った。
すでに両社は、読みやすさを科学的に検証した書体「みんなの文字」の販売のほか、UDの体系化などを目標に掲げ、協業を進めている。今後は両社の専門性を活かしながら、UD領域における専門的なコンサルティング、製品やサービスの開発、UDへの理解促進のための情報発信、新しいコミュニケーション手法やデザインのあり方などを提案していくとしている。
ビジネス開発においては、ミライロの企業ビジョンを表す造語である「バリアバリュー」の観点を重視する。「バリアフリー」が「障がいを取り除く」という意味であるのに対し、「バリアバリュー」は今まで「バリア」として捉えていたことも、考え方や周りの人次第で、「強み」や「価値」に置き換えることができるという考え方だ。