近年、富山、札幌、新潟、広島、九州、金沢といった地域に存在するADC(アート・ディレクターズ・クラブ)が、元気だ。広く門戸を開いた審査会の開催をはじめ、若いクリエイターの育成や地場デザイン文化の向上など、積極的な取り組みを続けている。
地方でADCが誕生したのは1996年。有志によって結成された富山ADCである。年鑑作成のための審査会を開催し、作品展を実施、また東京から審査員やセミナーの講師を招くなどしながら、会員同士が刺激しあい、地域の環境の中で富山ならではの活動母体や独自の活動を築いていった。そして、世界ポスタートリエンナーレ富山での出会いきっかけに、2001年に北海道では札幌アートディレクターズクラブが誕生。その後、JAGDAのネットワークを中心に人的交流を重ね、同様の運営ノウハウで各地にADCが次々と誕生し、独自に活動を展開している。
これら地方ADCの活動が普及するきっかけを作ったのが富山ADCのはせがわさとし氏、札幌ADCの寺島賢幸氏、前田弘志氏。そんな3氏による展覧会「LOCAL ADC はじまりの3人展 寺島賢幸・はせがわさとし・前田弘志」が、光村グラフィック・ギャラリーで始まった。
本展は、地方ADCの始まりのきっかけをつくり、地場産デザインのビジネスモデルと深く関係してきた3氏の仕事を紹介する。ポスターやパッケージ、パンフレットなどが100点以上、展示されている。会期は、9月20日まで。
なお、光村グラフィック・ギャラリーでは、各地方のクリエイターや地方ADCなどの活動を紹介していく予定で、10月1日からは「HIROSHIMA ART DIRECROTS CLUB In Tokyo展 広島から生まれるデザインとそのアートディレクション」の開催を予定している。
LOCAL ADC はじまりの3人展
寺島賢幸・はせがわさとし・前田弘志
会期:開催中、9月20日(金)
開館時間:10:00~18:00 ※最終日は17:00まで
休館日:日曜日・祝日休館
入場料:無料
会場:光村グラフィック・ギャラリー(MGG)