「パフォーマンス・ギャップ・パートナー」とは――プロフェーロ・アーノルドCEOに聞く

パフォーマンスの「ギャップ」は至るところにある

――そうした状態からイノベーションを生み出すには、どんな工夫をしていますか。

メディアやテクノロジー、クリエイティブなど様々なスタッフがいますが、プロジェクトの立ち上げ時から全員を集めて情報共有していくのもプロフェーロのやり方です。企画が固まってからテクノロジー担当を入れるといったことはしません。どこから優れたアイデアが出てくるか分からないからです。

もちろん、コピーライターやアートディレクターといった専門職能はありますが、ビッグアイデアを生み出す責任は全員にあります。これはスタッフ間のやりとりの過程から生まれるものです。そのため、なるべく階層のない組織にしています。

――顧客とのビジネスは、具体的にどのように進みますか。

ワールドワイドでの主な顧客は、ユニリーバや酒造メーカーのディアジオ、免税店のDFS、送金サービスのウエスタン・ユニオン、ルフトハンザ航空などがあります。報酬体系はリテーナー契約とプロジェクトごとのフィーとの組み合わせによるものがほとんどです。

クライアントは我々とパートナーシップを結ぶと同様に、もっと規模が大きく伝統的な広告会社とも契約していることが普通です。伝統的なメディアがなくなることはありませんし、プロフェーロはそうした会社とは競合しないと考えています。協力してプロジェクトを進めることもよくあります。

我々は自らを「パフォーマンス・ギャップ・パートナー」と呼ぶことがあります。クライアントは、メガエージェンシーなどの「ビッグ・キャンペーン・パートナー」(Big Campaign Partner)をブランドのパートナーとする一方で、デジタル領域の強化に伴いIBMやアクセンチュアなどシステムに強い「ITパートナー」にも依頼することがよくあります。しかし、その両者の間にたびたびギャップが発生します。

「パフォーマンス・ギャップ」

ビッグアイデアが存在してもそれだけでは不十分です。消費者が情報を受け取り、心が動くためのきっかけが必要で、その実現のためにデジタルメディア上の実行力が求められます。我々はそうした領域で求められています。アイデア開発からすべてを行うこともあれば、他の広告会社がつくったビッグアイデアの上に機能する企画を実施することもあるのです。「パフォーマンス・ギャップ」は至るところにあります。

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