オンライン広告に新たな指標を確立できるか?―Facebook米国における効果測定の取り組み


9月19日、Facebook Japanは米国本社でメジャメント&インサイト・グループの責任者を務めるブラッド・スモールウッド氏(マネタイゼーションアナリティックス バイスプレジデント)とFacebook Japan代表取締役の岩下充志が参加する、メディアラウンドテーブルを開催。広告効果測定に対するFacebook米国本社の最新の取り組みと今後の日本市場での応用、活用について記者たちからの質問に答えた。


ブラッド氏:消費者のメディア接触行動は大きく変化している。消費者が1日を通じて、様々なデバイスを介し情報に接する現在の環境は、マーケターにとっては好機。企業からのメッセージを伝える機会、場が格段に増えている。

消費者との接点が増えた現在の環境を効率的に活用する上では効果測定に基づく適切な投資が必要となる。Facebookでも効果測定に力を入れており、現在、私はFacebookにてオンライン・オフラインにおけるFacebook広告の効果測定分析、最適化を担っているが、メディア企業の中にメジャメントの専門組織がある企業は珍しいのではないか。

岩下氏:日本でもすでにFacebookの月間アクティブユーザー数は2100万人、そのうち1400万人が1日1回以上Facebookにアクセスしている。これは単純な比較をすれば、部数1000万弱の大手全国紙よりも多い数と言える。Facebookもマスにリーチできるメディアであり、テレビや新聞と言った他のメディアと同様に活用してもらえるメディアとしての基盤が整っていると考えているが、まだ日本ではソーシャルメディアといえば、エンゲージメント構築というイメージが強いようだ。

ブラッド氏:エンゲージメントという価値も大切だし、Facebookも重視している。しかしFacebookの「広告」に関して言えば、(1)リーチ、(2)レゾナンス、(3)リアクションの3つの指標を提唱している。マス広告の効果検証のフレームワークを用いているので、マスメディアをはじめとした他のメディアとの比較検討も可能になると考えている。

「リーチ」を高める上では、ターゲティングが重要になる。ブランドに合った消費者に確実にリーチすることが必要だ。適切なターゲティングという面からもFacebookは広告主に価値を提供できると考えている。また「レゾナンス」を高めるには、広告のクリエイティブの工夫が必要。そして「リーチ」「レゾナンス」の結果として生まれるのが「リアクション」である。

オンラインの広告ではCTRが重視されてきた。オンラインでビジネスが完結する広告主の場合には適切かもしれないが、同じ指標でブランドの広告主の活動も見るのは適切とは言えないと考えている。

岩下氏:指標づくりはFacebook1社だけでの取り組みではなく、業界全体の理解も必要だと思うが、その実現に際しては、米国と違い日本では障壁があると考えている。

ブラッド氏:日本の場合には個人視聴率ではなく世帯視聴率が一般的で、そこが米国と同様の取り組みをしようとする際に障壁となりそうだ。。

岩下氏:Facebookでは「Facebook for Business」という方針を掲げ、さらに「リーチ」、「レゾナンス」、「リアクション」の3つの指標にフォーカスしてその方針を具体化している。エンゲージメントを深め、コアファンを育てる目的でFacebookページを活用いただいている企業は多いし、今後もより多くの企業に活用してほしいと思っているが、ファンを醸成する以外のFacebookの機能についても理解をしてもらえればと考えている。

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