「未来を変えるアイデア」5つを表彰――Tomorrow Awards2013

日本から「OMOTE 3D SHASHINKAN」が受賞

「未来を変える要素はあるか」といった審査基準で、カテゴリー分けをせず、優れたアイデアを顕彰する「Tomorrow Awards 2013」の受賞作が9月20日発表され、5つのアイデアが表彰された。日本からはPARTYが期間限定でオープンしていた「OMOTE 3D SHASHINKAN」が選ばれた。

「Tomorrow Awards」は2010年、アートディレクターズ・クラブのエグゼクティブ・ディレクター Ignacio Oreamuno氏によって設けられた賞。「我々が向かうべきところを示唆するアイデア」を毎年表彰している。今年は、Naked BrazilのCCO・Fernando Romano氏、R/GAのシニア・テクノロジーディレクター・Sune Kaae氏、Spotifyのグローバル・マーケティングディレクターSophia Bendz氏、Twitterのグローバルブランド戦略担当副社長・Joel Lunenfeld氏、CF Martin and Co.ブランド・マーケティング担当副社長・Amani Duncan氏が審査した。

ニューヨークADCは10月10日、「Art & Tech – Welcome to Tomorrow」と題して、受賞作品を展示する予定。

5つの受賞作は以下のとおり。

「OMOTE 3D SHASHINKAN」(PARTY)

3Dスキャナー、3Dプリンターを活用し、被写体をフィギュア化する写真館。

スウェーデン The Civil Rights Defenders「NATALIA PROJECT」(RBK COMMUNICATION)

人権活動家が誘拐や強襲されるなどの危機にあった際、迅速に救護と情報拡散をするためのリストバンドを制作。GPS(全地球測位システム)とGSM(世界標準の携帯電話ネットワーク)を通じ、救助信号を発信する。信号を受けた近隣のスタッフは、現地へ急行するとともに、スウェーデンのCivil Rights Defenders本部から全世界に向けてSMSやFacebook、Twitterを介して情報が公開される。同団体のソーシャルメディアをフォローすると同情報の拡散に参加できる。現在5人の人権運動家が装着しており、2014年中に55人に増やす予定。

スウェーデンSwebus「Train Switch」(Akestram Holst)

毎年スウェーデンでは大雪となり、その被害は公共交通機関にもおよぶ。長距離バス会社「Swebus」は、スウェーデンで最も発着時刻が正確だと広く知らしめ、乗客数を増やすために、新たなディスカウント制度「Swebus」をスタートさせた。

「Swebus」は、国内の10の主要駅をモニターし、電車が遅れると「Swebus Train Switch」Webサイトでディスカウントチケットを発行。このチケットは誰でも無料で取得できる。「Train Switch」は電車1分の遅れごとに、1%割引し、運転見合わせとなれば、無料チケットに。Swebusはこの施策で2012年、前年比で収入が6.1%増となった。

ブラジルVillalobos Mall「Loja Vazia」(Loducca)

Villalobos Mallは、ブラジル・サンパウロのショッピングモール。冬季に衣類を必要とする人々のため、「Loja Vazia」(空っぽの店)と題したチャリティキャンペーンを実施、3.2トンの洋服を集めた。

不要となった衣類をただ集めるだけでなく、店内中心部に、ガラス張りで洗練されたデザインのスペースを設置。寄付したい人々が持ち込んだ衣類は、プロのスタイリストによって、ふつうの商品さながらにディスプレイされる。結果、自然と通常の寄付よりも状態がよく、品質の高い衣類が集まったという。この施策は全世界のショッピングモールに波及しはじめている。

「Cinder」(The Barbarian Group)

汎用プログラミング言語「C++」のライブラリ(頻繁に利用される関数や機能、データをまとめたファイル)のひとつ。映像や音声、画像を簡単に処理できるもので、2010年からオープンソース開発が進められている。

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