半沢直樹協奏曲
22日に最終回を迎えたTBSドラマ「半沢直樹」は、民放ドラマ最高となる42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をたたき出した。私も含めてであるが、今週末は放映がないので寂しい思いをされていらっしゃる方が多いのではなかろうか。視聴率以外でも色々な数字を紐解いてみると、最終回はクライマックスと呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せていたことがわかる。筆者は今まで3回にわたりヒットの分析を行ってきたが(第一回、第二回、第三回)今回は、その総括として色々な要因を探ってみたい。
検索数推移
まずは検索数の推移であるが、“半沢直樹”と“倍返し”の推移をみると、検索は番組の放映時にシャープに伸びることに対して“倍返し”は放送の時に伸びるものの、放映後に元には戻らずベースアップしていることが見受けられる。これは、“倍返し”という言葉が独立して流行していることを示している。本年の流行語大賞の有力な候補ではなかろうか?
最終回視聴率と検索数とのギャップは?
一方で視聴率と検索数を指数化して比較表を作ってみたのでご覧いただきたい。ご覧のように最終回を除いてはおおむね視聴率と検索数連動していたのであるが、最終回だけは視聴率以上に大きく検索数を伸ばしているのである。これは番組の放送以外にも「半沢直樹」という言葉を誘発する事象が起こっていたからいうことになるが、その原因を考察してみたい。
1:放送局による宣伝効果
当日以前からある程度は始まっていたのであるが、特にオンエアされた日曜日には朝からTBSの各番組では「半沢直樹、最終回」ということを告知していた。また、昼間には2時間にわたり今までのダイジェストを放送して、その番組内でもさらに番宣をするなど局をあげての盛り上げ体制があったことにより、放送時間前でもかなりの検索を稼いだのではないかと推測される。
2:出演者と連動した広告の出現
半沢直樹の通常番組スポンサーは東芝、日本生命、花王、サントリーの4社であるが、その中でもサントリーは最終回中に超ウコンの30秒CMを放映ししかも「3倍」というキャッチフレーズを使って話題になった。内容はまとめサイトNAVERまとめにも紹介されているので参照いただきたい。(【半沢直樹に便乗?】「壇蜜」サントリーの新CM)
さらに、最終回は25分延長の放送であったがその部分には追加提供枠で日本生命、花王に加えトヨタが提供をし、主演である堺雅人氏をキャスティングした30秒CMを放送したのである。このCMはシリーズ化されており、前述の最終回放送前の2時間スペシャルの中でも数本放送されていた。