博報堂生活総合研究所が「日本の家族25年変化」の調査結果を発表

博報堂生活総合研究所は、日本の家族の現状とその行く末を見極めることを目的に、1988年より、98年、2008年と家族に関するアンケートを同一質問内容で実施し、日本の家族の意識変化について研究を重ねてきた。30日に、2013年の調査・分析結果がまとまった。

それによると、今の家族は「時間、お金、意識」の重心をより「子ども」に置く傾向が強まっていることが判明した。生活総合研究所はこの現象を新しい家族像として「子供信託家族」と新たに名付けた。

調査によると、「開始以来、これまで日本の家族は『個性化』の大きな流れの中にいた。この傾向が最高潮にあった2008年には、家族それぞれの個性を大事にし、自由な時間を過ごす一方で、あえて家族らしい行動を自覚的に取る『保温家族』という現象が見られた。しかし、未曾有の災害やリーマンショック後の長引く不況などの大きな社会変化を経験した日本の家族は、不安な日常の中で家族・子供の大切さを再認識し、不透明な未来へ子供を送り出すために、家族リソース配分の重心を子供に向けようとしている」という。

また「9つの Findings」として、下記を挙げた。

親子の関係

(1)お金は子供のために蓄える
家族関係の中心は「子供」が上昇、一方「夫婦中心」は減少。「親の生活費より子供の教育にお金をかけるほうが良い」が上昇。

(2) 妻は子供との時間を大切に思っている
妻の「自分のプライベートな時間を充実させたい」が初めての減少。一方「子どもと一緒の時間を充実させたい」は上昇。「子供はできるだけ早く親の手から離すほうが良い」は減少、子供の将来に対する妻の心配が強まる傾向に。

(3) 親子関係にはけじめをつける
「子供とは友達みたいな親子関係であるほうが良い」夫婦共に減少。

夫婦の関係

(4) 夫婦関係がフラット化し、相対的に妻の立場が強まっている
「夫婦の発言権」では妻が上昇し夫が低下。25 年間で徐々に近づく。

(5 )妻の異性関係への興味が低下
妻の「異性の友人が欲しいと思う」が減少、一方「妻の不倫は絶対許されることではない」が上昇。

(6) 夫の家事協力が進んでいる
「夫も家事を分担するほうが良い」夫婦共に増加、夫は 25 年で2倍以上の伸び。

親族との関係

(7) 家族のイメージが親、兄弟・姉妹に拡がっている
「家族といって思い浮かべる人」が「自分の親」「配偶者の親」「自分の兄弟・姉妹」が上昇。

(8 )親の育児支援が定着している
「別居して生活するが近くに住みたい」親との近居意向が増加傾向。また、約半数が妻の親に子供の世話を助けてもらっている。

その他

(9) 東日本大震災後、子供のことを案じる妻が増えている
自分の「家族に対する考え方や行動」が変わったと感じる妻、特に子供を心配する回答が多かった。

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