「感動課、研修に行く」

評価基準は、何人の社員を泣かせられるか?

思い出に浸るモードにするために動画は、研修場所に行くときの電車の中の風景から始まったりします。数日前ですがだいぶ昔の事のように感じます。

感動課は、感動の華を咲かせるために、いろんなイベントに同行させてもらう事が多いです。今回は感動課が新人の合宿研修に同行したときにどんな事をやっているのかをお話をさせていただこうと思います。

4月のはじめ。サイボウズにも、例に漏れず新入社員が入ってきます。新入社員は毎年20名程度です。(ちなみに私は、毎年新入社員を同期が入ってきたと思うようにしているのですが、そろそろ一回り以上歳が離れているので、いささか無理があるのも承知しております)。新人は、一日目は東京の本社に出社し、入社式や諸手続きがあります。そして、二日目からは箱根にある健康保険組合の施設で3泊4日の合宿研修をするのが通例となっています。

真剣に研修に取り組んでいる風景を社員に収めています。自分たちの頑張りが思い起こされることでしょう。

研修では、マナー研修があったり、サイボウズ社内の共通言語を学んだりというプログラムがあるのですが、あわせて同期が仲良くなるという目的もあります。ここだけの話、私自身、社会人としてマナーがしっかりしているわけでもなく、鳴った電話にも出たくないと思うくらいの人間ですから、研修の内容には一切関わりません。研修には、研修担当の方がいますので、その方が全部の工程をみっちり教え込みます。ちなみに、研修にはもう一人の感動課の副社長も同行します。

じゃあ感動課は何をしにいくのか?、それは簡単です。新入社員を感動させに行くのです。研修のしおりを作ったり、研修室のレイアウトを変えたり、細々とした手伝いをしたりしますが、感動課にとってそれはあくまでもサブ。お手伝いをしているだけです。研修が終わった時に、頑張った新入社員を感動させて涙させる。これこそ、この数日に感動課に課せられた唯一のミッションです。


研修の中で自分の強み・弱みを考えるのですが、その時のキーワードを散りばめたエンドロールを最後に流します。

具体的に話すと研修の最後に流す一つの動画の製作なのですが、その動画を見た後に研修の感想を一人ずつ話していくんです。そのときに何人泣くかで感動課は評価されます。こんな事でのみ評価される部署があっていいのかと思うときはありますが…。

そもそもこの動画を作るようになったきっかけは、当時一緒に研修に参加していた採用担当のK沢くんという社員の発案です。(結構、誰かの”これ素敵やん”みたいな発想を一緒にやっていく事が多いです)。

新人は、研修の最終日にあるプレゼンをするのですが、その前日の夜にもなると大抵徹夜をして資料の作成を行ったりします。その前日の夜にK沢くんが言うんです、

マナー研修の一コマ。壁に向かってお辞儀の練習をしているところです。この画面は本人たちより同行している人事メンバーの心に響きました。

「新人が寝ずに頑張っているのに僕たちは寝てていいんですか?」(この人は熱い人で感動課でやる事に色々と協力してくれます。社内では一緒にやる漫才コンビの方で有名ですが)。

「じゃあどうするの?起きとく?」
「それならせっかくなんで僕たちも何か作りましょうよ」

そんな感じのやり取りがあり、作り出したのがこの動画です。(と言っても急だったんで一年目は途中何度か寝ている間にK沢くんが作ったんですが…。)最初の時は、パワーポイントに音楽が流れているような代物でしたが、あれから三年、今ではそこそこのクオリティーのものを作れるようになりました。

動画の中に、研修中にキーワードになったフレーズや、伝えたいメッセージを挿入します。

この動画今思うと、作る事もそうなのですが、新人と一緒になって研修を行うというのが良いのかなと思ったりしています。酒のつまみは酒を飲みながら作った方が味付けがいい感じになるみたいに、徹夜明けに見る動画もまた、徹夜で作るのがいいのだと思います。

ただ、最近ではこれが定番になってきていて、新人は大体いつの時代も20代前半と年をとらないですが、自分は年をとるのでしんどくなってきてはいます。

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福西 隆宏(サイボウズ 人事部感動課 課長)
福西 隆宏(サイボウズ 人事部感動課 課長)

1974年奈良県生まれ。1998年に龍谷大学を卒業後、NECモバイリングに入社、2004年サイボウズへ転職。開発部ドキュメントグループにてサイボウズ製品のマニュアル制作に携わる。2011年感動課設立に伴い異動、現在に至る。
twitter:Kando_ka
HP:http://cybozu.co.jp/

福西 隆宏(サイボウズ 人事部感動課 課長)

1974年奈良県生まれ。1998年に龍谷大学を卒業後、NECモバイリングに入社、2004年サイボウズへ転職。開発部ドキュメントグループにてサイボウズ製品のマニュアル制作に携わる。2011年感動課設立に伴い異動、現在に至る。
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