「本当の敵は、『伝わらなければ存在しない』という現象」
ライズマーケティングオフィス代表
田中 みのる氏
ダイレクトマーケティングツールというのは、売り上げを上げるために、お客さまを丁寧に購買に導くために使うツールだと考えています。
私は、「動線と導線を考える」という考え方をいつも大事にしています。音は一緒ですが、動く線と導く線です。お客さまの実際の動きを観察・整理して、こうしてほしいと思う方向へ導くのが目標です。
例えば、パンフレットを置くなら、手に取ってほしい、そのためにPOPを置いて無料であることを知らせる、そういう自分達のもくろみに導くためにどういうツールを活用するとよいのか、という考え方が重要です。
また、ダイレクトマーケティングツールは、意図を持って作成すること。お客さまを丁寧に導くシナリオをしっかりと考えることが重要です。そのツールを使ってお客さまにどういう行動をとってほしいのか、自分達の行動をどうサポートさせるのかという考え方を基本にするとツール作りの質が変わります。
私がツール作りで大切にしているのは「価値を伝えること」です。どんなに素晴らしい会社、商品、価値でも伝わらなければ存在しないのと同じ。これはとても怖いことなのです。思うように売れない、反応がないと悩んだとき、商品の良し悪しをすぐに見てしまいがちですが、本当の敵はこの伝わっていないことによる「存在しない」という現象かもしれません。
「価値を伝えるために大事な主観・客観・俯瞰」
商品の良さに思ったように反応がないとき、価格が原因だと思うのではなく、価値が伝わっているかと考えてみる。伝わっていないと思ったら、何かツールを使って良さを伝える努力をすることが重要です。価値を伝えるために大事にしているのは主観・客観・俯瞰という3つの視点です。
価格競争を避け、顧客の先入観を消すために、売る側の主観は必要です。商品やサービスへの思い、どんな方へ、どんな思いで発信しているのかを伝えることで、似たような商品があっても負けないようにすることです。欲しい商品や、ニーズが顕在化している方は情報が欲しいのです。だから価値や、誰に認められているかという具体的なスペックを客観的に伝えてあげることが重要です。
そして、俯瞰、これは潜在ニーズのためです。今現在、商品やサービスの良さに気づいていない人に情報発信して興味を誘う、「もしかしたら自分に関係があるかもしれない」と思わせる演出です。この3点をバランス良く組み合わせることで、商品やサービスの価値が伝わりやすくなっていきます。
ビジネスの環境が変わり、今、世間は「関係性」を求めています。「どこから買うか」ではなく「誰から買うか」で選ぶ時代です。説得ではなく、自ら納得して物を買いたいのです。そんなときには、企業からの言葉よりも、信頼のおける人からの発信が心を動かしたりする。
この「共感、共鳴、信頼」を演出し、お客さまに納得・信頼して買ってもらえるような関係づくりをすることで、顧客化が進みます。初めて買った方というのはまだ顧客ではなく、お試しです。何度も買ってもらって初めて顧客化が進みます。そうすれば発信する情報が暖かく迎えられ、関係性も深まって、応援してもらえるようになります。
私は、販促物、ダイレクトマーケティングツールはというものは、お客さまとの関係性を深め、高めるツールだと信じています。やはり、人は愛情深い言葉に反応します。皆さまの商品やお客さまに対する愛情が伝わるような販促物、ツールをぜひ作ってください。
(次回予告)
次回は、ジュピターショップチャンネルです。