10月10日、電通の門田陽さん、博報堂クリエイティブ・ヴォックスの吉岡虎太郎さんをゲスト講師にお迎えし、応募者応援特別講座「あのコピーが選ばれたワケ、教えます」が行われました。
当日、サプライズのスペシャルゲストとしてご登壇いただいた第50回グランプリの日野原良行さんに、会場でお話しいただいたこと、話しきれなかったことを織り交ぜ、“勝つ”ラストスパートのかけ方を聞きました。
日野原良行(ひのはらよしゆき)/ズームデザイン コピーライター
2012年ズームデザイン入社。コピーライター2年目。宣伝会議賞でグランプリを受賞するも、思いがけぬハプニングで賞金を使い果たす。主な担当クライアントは、パナソニック、TOTOなど。
宣伝会議賞の締切が差し迫ってきましたね。
みなさま進捗具合いかほどでしょうか。
最後の追い込みをかけているところでしょうか。
さて、先日は宣伝会議賞の応募者応援特別講座、「あのコピーが選ばれたワケ、教えます」というイベントに参加させていただきました。講師は、当賞の審査員でもある門田陽さんと吉岡虎太郎さん。1時間ほど傾向や対策についてお話してくださった後で、恥ずかしながら登壇して参りました。
僕が当日話したこと、話せなかったこと含めて、いくつか書かせていただこうかと思います。
空いた時間すべてを使う
開場前から人があふれ、会場は満席に。
去年の取り組み方について思い返してみると、平日は通勤時間やお昼休みを使い、休日は中野ブロードウェイにある好きな喫茶店で1日中コピーを書くという生活を送っていました。
仕事と並行して取り組んでいると、どうしても時間が足りなくなってしまうのですが、移動時間、遊ぶ時間、ぼーっとする時間など、空き時間をすべて使えばなんとかなるものです。
最終的に応募した本数は1308本。そのうち48本が通過し、うち1本がグランプリを受賞しました。
「生活を犠牲にしてでも獲ってやる」。
そのくらいの気迫が、いい結果を生むのかもしれません。
大発見、大共感、新提案
コピーの善し悪しを判断するときは、大発見と大共感のどちらかが含まれているかということを基準にすればいい。そんな話を、磯島拓矢(電通)さんから聞いたことがあります。また、野原靖忠(電通)さんからは、「コピーとは新しい価値観の創造と提案である」と教わったことも。それ以来、大発見、大共感、新提案のどれかを含んだコピーを書くように心がけています。
僕がグランプリをいただいた、エヌ・ティ・ティ・ドコモ「メール翻訳コンシェル」の「そうか、こういう内容の迷惑メールだったのか。」というコピーも、新しい価値観の提案を目指しています。
外国語の迷惑メールだって楽しむことができるし、教材にすらなるのだという考え方。でも、それをそのままコピーにしても、コンセプトが丸出しの表現になってしまうので、あえてユーザー目線で書きました。
大発見、大共感、新提案に加えて、伝え方もまた重要な要素なのだと感じます。
講師は電通の門田陽さんと博報堂クリエイティブ・ヴォックスの吉岡虎太郎さん(左)。そして、サプライズゲストの日野原良行さん(右)。
コピーは料理
「考えたコピーのうち、応募できそうなものが半分にも満たない。どうすればいいか」というご質問をいただきました。これは僕もまったく同じで、最初から「いける!」と思えるコピーなどそうそうありません。
だから、いったん寝かせます。寝かせて、書いたことも忘れた頃にもう一度味わい直してみる。そうすると、改善ポイントが見えてきます。
さらにパソコンで応募するとき、コピーを打ち込みながら改めて考え直します。
最適な語尾はなんのか?
もっとチャーミングにできないか?
普通の人が読んで面白いと思えるか?
コピーの素材を、煮たり、焼いたり、蒸したり、はたまた調味料を振りかけたりして、もっと美味しくなるように試行錯誤してみる。
応募したいと思える作品を量産するには、そういった粘りが必要だと思います。
傾向と対策
ここ数年のグランプリ作品を見てみると、「サービス」→「商品」→「サービス」→「商品」→「サービス」という課題の流れがあることに気付きます。
賞は、人間が選ぶものである以上、かならず波があります。となると、次は、商品の課題が賞を獲るのではないかと予想できるわけです。僕はもう応募することができませんが、仮にできるのなら、そんなことを考えてラストスパートをかけます。
また、去年のグランプリは、「モノ」に寄ったコピーだったので今年は「コト」に寄ったコピーが来る、とも予想できます。
あくまで勝手な予想にすぎませんが、そんなふうに「力を入れるポイント」を見極めながら書き進めていくと、この時期には良いのかもしれません。
他にも、100万円の使い道などいろいろとお話はしたのですが、ここに書けないことも多々ありますので…!
続きは飲み会でよろしくお願いいたします。
残り時間はごくわずか。
ぜひ最後の最後まで粘り続けて、納得のいく結果を掴みとってください。
どんなコピーが選ばれるのか心より楽しみにしております。
以上、ドヤ顔コピーライターがお送りしました。