雑誌「広告批評」を創刊し、近年は朝日新聞「CM天気図」をはじめ数々の評論やコラムを執筆していた天野祐吉さんが20日、間質性肺炎のため東京都目黒区の病院で死去した。80歳だった。
天野さんは明治学院大学を中退後、創元社など出版社数社を経て、1961年に博報堂へ入社。月刊誌「広告」の編集を担当した。また博報堂在籍時は、月刊「宣伝会議」へ記事を寄稿していた。その後独立し、友人たちとプロダクション「マドラ」を設立し、79年4月に「広告批評」を創刊、初代編集長を務めた。「広告批評」は09年4月号をもって終刊。10年に本の出版とイベントを行う天野祐吉作業室を立ち上げた。
02年には松山市立子規記念博物館の館長に就任。また広告界への貢献と功績が高く評価され、09年に東京コピーライターズクラブの「HALL OF FAME」(コピーライターの名誉殿堂)の顕彰を受けた。
著書に、「広告みたいな話」(新潮社)、「嘘八百!」(文藝春秋)「広告論講義」(岩波書店)、「私設広告五千年史」(新潮社)、「隠居大学 よく遊びよく遊べ」(朝日新聞出版)ほか。
なお、葬儀・告別式は本人の希望で行わない。