トリップアドバイザーでは、2011年の8月より、旅に関するさまざまな情報をインフォグラフィックスにまとめた「TripGraphics(トリップグラフィックス)」を、定期的に発表しています。
きっかけは、たまたま同僚の一人が本社のSEO担当のスタッフと話しているときに、インフォグラフィックスって知ってる? ソーシャルメディア界隈ではシェアや「いいね!」がされやすいと話題だよ、という話を耳にして、当時トリップアドバイザージャパンのFacebookページを立ち上げたばかりの私に教えてくれたことでした。
インフォグラフィックス?ということで調べてみると、インフォメーションとグラフィックスをかけあわせた造語で、情報やデータを視覚的に…うんぬんという説明はWikipediaにゆずるとして、私の最初の理解としては「2ちゃんねるまとめサイトとかの“役に立つ画像貼ってけ!”スレに貼られるようなやつだな」というもの。
フェイスブックページを立ち上げたものの、お得な割引情報や新製品の紹介などもない私たち。まずどうやってファンを増やせばいいのか、またファンになってくれた方々に、どんなメリットが提供できるのかわからずに悩んでいた私は、旅行に関連した“役に立つ画像”なら、喜んでいただけるのではないか、と考えました。
とはいっても、インフォグラフィックス制作のノウハウもツテもないため、知り合いの旅行ガイドブックなどを手がけている編集プロダクション「アトール」に相談したところ、グラフィックデザイナーの徳間貴志氏にお声がけすることに。そして全員の「なんか面白そう」という合意のもと、とりあえずやってみることになりました。このときラッキーだったのは、「旅行」という切り口は間口がとても広く、移動や宿泊、食事はもちろん、文化や環境、気象や経済に至るまで、大抵の事柄を旅に関連づけて考えることができる、ということでした。
そして記念すべき第1回のテーマは「日本から就航しているノンストップ直行便の発着空港と行き先の都市、その飛行距離をすべて網羅した画像」というテーマになりました。
国際線が就航している空港のウェブサイトなどから、あらゆる就航路線を調べてみたところ、なんと日本国内から91もの都市に複数の空港からノンストップフライトがあり、かなりの情報量になってしまいます。これを徳間氏が飛行距離の順に並べ、記号などを駆使して1枚の画像に落とし込むと、今まで見たことのない、面白いインフォグラフィックスに仕上がりました。
これはメディアでの掲載なども含めて予想以上の反響をいただきました。引き続き発表したインフォグラフィックスも、中にはテレビ番組で取り上げていただくなどご好評をいただき、また、ほぼ週刊ペースで発表することができ継続して発表する目処もついたことから、14作を数えた12月の段階で、トリップグラフィックスの専用サイトを開設することとなりました。