「ブラックサンダー」流 広告の考え方

今回は、有楽製菓が広告・コミュニケーションについてどのように取り組み、どのように考えているかを紹介したいと思います。

現在、有楽製菓のマーケティング部では、広告やプロモーションの予算を持っていません。何らかのフレッシュなニュースを、継続的に消費者に提供し続けたいと考えているのですが、社内の決裁は内容により、その時々で判断されます。もちろん社長決裁が最終判断です。

まず検討することは、アイデアが面白いかどうかです。どの企業の方も同じでしょうし、当たり前のことですよね。イベントごとに目標や目的が異なりますので、いくら面白いと言っても、この目標・目的を達成できるかが大前提の指標となります。また世間で注目され、ニュースになるような面白さを追求しています。

ただユニークで面白ければ良いというわけではなく、面白さがブランドの性格とマッチしているか、消費者にスムーズに理解してもらえるかが決め手になります。細かい内容は企業秘密なのですが、いくつかの項目を設けて、ブラックサンダーの価値や性格を活字で理解・共有するようにしています。そうすることにより、ブラックサンダーにマッチした広告・イベントを考えるにあたり、迷ったらそこに立ち戻ることができるからです。

ブランドにとって、長期的に見てデメリットがないかということもよく議論します。たとえば、前述した「ブランドの性格」に反するもの、食品という特性上、常識的に考えて問題になりそうなもの、チョコレートが溶けるなど品質管理に問題がありそうなものはNGにします。

一見、ブランドの方向性と合っていない場合でも、そのアイデアをストレッチすることによってデメリットを解消できないか、という議論ももちろんします。ここはクリエイティビティが勝負になりますので、マーケターとしての腕の見せ所であるとも考えています。個人的には、特に広告・プロモーションを展開するシチュエーションをイメージすることによって、アイデアを絞り出すようにしています。

もちろんコスト面でダメになってしまうこともありますが…。

>>次ページ アイデアが固まってきたら、効果検討に入ります

次のページ
1 2 3
伊藤 大介(有楽製菓 マーケティング部 係長)
伊藤 大介(有楽製菓 マーケティング部 係長)

1977年静岡県生まれ。2000年に浜松大学卒業後、有楽製菓に入社。企画開発課を経て、現職。同社マーケティング部の創部に携わり、現在はブランド管理・新製品開発に従事。

twitter:有楽製菓(株)サンダーさん @Black_Thunder_
HP:http://www.yurakuseika.co.jp/

伊藤 大介(有楽製菓 マーケティング部 係長)

1977年静岡県生まれ。2000年に浜松大学卒業後、有楽製菓に入社。企画開発課を経て、現職。同社マーケティング部の創部に携わり、現在はブランド管理・新製品開発に従事。

twitter:有楽製菓(株)サンダーさん @Black_Thunder_
HP:http://www.yurakuseika.co.jp/

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ