「ブラックサンダー」流 広告の考え方

アイデアが徐々に固まってくると、その広告を実施することによって、どのくらい効果があるのかを検討します。「効果」と一口に言っても、実際の売上につながる経済的な効果と、ブランドの認知を向上させるような効果とは分けて検討します。またその効果をどのように測るか、そしてどの程度を目標にするかも考えます。しかしまだ経験に乏しく、そもそも根拠が明確でなかったりして、うまく目標が立てられないこともしばしば。やみくもに大きなことを言っても社内で信頼を失いますし…。このあたりの精度を上げることが、今後の私たちの課題になっています。

ブラックサンダーの店頭配荷率は、おかげさまでぐんぐん上昇し、10年前に比べるとで見かけることが、かなり多くなりました。やはりこれからは、いかに回転率を上昇させるかにかかっています。そのためには消費者の皆さんにブラックサンダーのフレッシュなニュースを届け続け、常に振り向いてもらえるようにすることが重要だと考えています。

バレンタイン以降に行ったイベントとしては、当社のメイン工場がある愛知県・豊橋で5月に実施した、ラッピング市電「ブラックサンダー号」の発車式があります。もともとラッピング電車を走らせる予定はあったのですが、この企画を通じて、ブラックサンダーをもっと効率良く世間に広められる方法はないかと考え、メディアがニュースにしやすい「発車式」を開催することにしたのです。

ブラックサンダー号
豊橋鉄道の路面電車を全面ラッピングした「ブラックサンダー号」。「豊橋にはコレがある! 日本のチョコバー」と盛大にアピール。中吊り広告もブラックサンダー一色だった。ベースカラーは、車体に塗装されている。
お菓子が駅長
何とか「世界初」を打ち出せるネタを考え、イベントをバズらせたい…!うんうん唸って考えだしたのが、「世界初?お菓子が駅長」!!モニュメントは、期間限定で新豊橋市電駅前広場に設置
された。

当然、潤沢な予算はありません。低予算で、よりニュース性を高めるために、何とか「世界初」というキーワードを謳うことができるアイデアはないものか――。あれこれ考え、たどり着いたのが「世界初?お菓子が駅長」でした。ちょっと苦し紛れ(汗)でしたが、中部地区ではメディアに大きく取り上げられ、こちらも成功だったと考えています。

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伊藤 大介(有楽製菓 マーケティング部 係長)
伊藤 大介(有楽製菓 マーケティング部 係長)

1977年静岡県生まれ。2000年に浜松大学卒業後、有楽製菓に入社。企画開発課を経て、現職。同社マーケティング部の創部に携わり、現在はブランド管理・新製品開発に従事。

twitter:有楽製菓(株)サンダーさん @Black_Thunder_
HP:http://www.yurakuseika.co.jp/

伊藤 大介(有楽製菓 マーケティング部 係長)

1977年静岡県生まれ。2000年に浜松大学卒業後、有楽製菓に入社。企画開発課を経て、現職。同社マーケティング部の創部に携わり、現在はブランド管理・新製品開発に従事。

twitter:有楽製菓(株)サンダーさん @Black_Thunder_
HP:http://www.yurakuseika.co.jp/

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