第51回 宣伝会議賞特別企画 トークイベントレポート@大阪――古川雅之氏×廣瀬泰三氏

第51回宣伝会議賞では10月1日~30日、これまでの歴代グランプリと社会・広告の動きを振り返るパネル展示を大阪・名古屋・福岡で開催しました。会期中には、各地を代表する広告クリエイターによる特別トークイベントも開催。現代の広告のあるべき姿や、宣伝会議賞への取り組み方のポイントなどが語られたイベントの模様を、ダイジェストでご紹介します。

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大阪では10月6日、梅田の商業施設E-ma(イーマ)にて、電通関西支社・古川雅之氏と廣瀬泰三氏によるトークイベントが開催された。

テーマは「関西から全国へ――コピーライター・CMプランナーのターニングポイント」。広告クリエイターという仕事への思いや、宣伝会議賞をはじめとする広告賞への取り組み方について意見が交わされた。

「広告クリエイターとしてのターニングポイントは?」
という質問に対しては、
「自分が手掛けた仕事で、商品が売れたり、販売チャネルを広げることにつながったりと、クライアントのビジネスの成果に貢献できた時に、『やって良かった』と思う。そうした経験の積み重ねが、クリエイターの仕事の役割を実感する機会になったし、ターニングポイントになるのでは」
と廣瀬氏。

一方、古川氏は
「大学4年の時、宣伝会議のコピーライター養成講座を受講し、『一行書いたら自分のコピーが新聞やテレビに載る上に、それが仕事になるなんて!』と思い、この世界に魅力を感じた。学生の場合は、何らかの賞を獲ることが『人生をかけて、この仕事をやっていこう』と決意するターニングポイントになり得ると思う。チャンスに巡り合う力は、若いうちのほうが多い」
と話した。

広告賞への取り組み方については、
「時間をかけ、たくさん考えることが重要。広告は、広告の専門家ではなく、一般消費者が見るもの。おかんや周りの人に見てもらって、商品の説明をせずとも『何かいいね』と言われれば、それは良いコピーかもしれない」(廣瀬氏)、
「自分の想像力や経験を総動員して、書けるだけの数を書くこと。私自身の応募経験の中でも、研究に研究を重ねて書き、最後に『賞なんて獲れるわけがない!』と開き直って出したものが通ったりして…。審査員はきちんと見ているのだなと思った。宣伝会議賞は、自分が担当していないクライアントの商品・サービスのコピーにも挑戦できる。賞を獲れなくても練習になる。もし賞が獲れたら名前やコピーを広く知ってもらえるし、賞金ももらえる。毎年やってくるこのチャンスを、大いに活かしてほしい」(古川氏)
との意見が聞かれた。

そして、話題は「今後のコピーのあり方」へ。

廣瀬氏は
「以前は、広告の投下量がそのまま効果に結びつくことが多かったが、現在は質さえ良ければ投下量は少なくても、ソーシャルメディアで拡散されていく。逆に質の良いものを書かなければならない、クリエイターにとってはより背筋の伸びる時代だと思う」
と、コピーライターが担う役割の大きさを改めて強調。

また古川氏は、言葉の重要性は、コピーライターのみならず、あらゆる仕事に共通することを指摘した。
「コピーライターだけでなく、あらゆる仕事において、最終的に大切なのは言葉。たとえば商品名一つとっても、企業がどんなことを考えていて、世の中に対して何を問うているのかが表れるもの。コピーライターを目指している人は、最終的にどんな仕事に就いたとしても、今磨いている言葉の力をぜひ存分に活かしてほしい」
と話した。

次は、名古屋でのトークイベントの模様を紹介します。お楽しみに!

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