時代の空気表す新しいキーワード
今まで時代を象徴する言葉は幾つも存在するのであるが、筆者は現在の状況、少なくとも2020年の東京オリンピックまでの期間に関しては1964年の東京オリンピック後の期間に似ているのではと感じている。
かつて時代を象徴する言葉として「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉があった。これはwikipediaによると、「子ども(を含めた大衆)に人気のあるもの」の代名詞として、日本の高度経済成長期(1965年 – 1974年)の雰囲気を表現する場合に使用されるということであるが、同時に高度成長期を表す言葉としても捉えることができると筆者は考えている。
楽天の日本一に際して一つの大きな流れが出来上がったと感じており、その現在を象徴する言葉はないかと今週末ずっと考えていたが、「楽天・なでしこ・おもてなし」という言葉が一番しっくりくるのではないかという仮説にたったのであるがいかがであろう?
まず「楽天」は前述の星野監督の言葉に象徴されるように震災からの復興そして成長の象徴として今後も捉えられてゆくのではないかと考えている。
また、ご存知のとおり楽天は日本を代表するインターネット大手企業であり、インターネット業界は将来の日本経済をけん引すると期待されている。さらに楽天は社内の公用語を英語にしたり海外進出を積極的に行うなど国際化にもいち早く着手している。
さらに創業者の三木谷浩史氏は新経済連盟の代表理事を務めており、安倍政権とも良好な関係を保っているようでネット選挙解禁などいろいろな意味で追い風と言えるのではないか?
次に「なでしこ」であるが、2011年の女子ワールドカップ選手権を制したなでしこジャパンを思い出す方も多いと思う。あの時の活躍は震災後の日本全体に活力と希望を与えてくれたのではないだろうか。
筆者はこの“なでしこ”という言葉にはもう少しいろいろな意味を込めることができるのではないかと思っている。例えばスポーツで言えば吉田沙保里選手、浅田真央選手や女子バレーボールなど国際舞台で活躍する個人やチームも多いのである。また実業でも女性の社会進出が顕著になってきており、それを支えるITの進展やライフスタイルの多様化ともに、ワークスタイルも多様化しているのである。
女性の活躍は在宅や遠隔地からの就労など、時間や場所にとらわれない自由な働き方が発達してますます加速してゆくのではなかろうか。
最後に「おもてなし」であるが、このことは9月7日に行われたアルゼンチンのブエノスアイレスの国際オリンピック委員会(IOC)総会での招致プレゼンでは日本の良さを代表する言葉として使われたことは記憶に新しいことであろうし、本年の流行語大賞の有力候補であるという。
本来はおもてなしとは日本独特の文化で人への気遣いを意味しているのであるが、これは日本の製品やサービスにも適応できる言葉であり、これからの日本の成長の一つのヒントになる言葉ではないか? 東京オリンピック決定から2カ月経っている今、皆さんも2020年に向けて色々な想像を膨らませているのではないだろうか。
すなわち、またこのおもてなしという言葉にも脱デフレや経済成長を後押しするという意味合いが現在は含まれているのではなかろうか。
これ以外にも時代を象徴する言葉は色々考えられるだろう。実際に色々な言葉を検討して語呂も考えてこのように記載したが、読者の皆さんはどのような言葉を選ぶのか是非機会があれば、ソーシャルなどで教えていただきたい。