好きなアーティストの歌詞に込められたメッセージを思い浮かべるように、開発者のこだわりが伝わりますようにとアルバムの歌詞カードの大きさになっています。エンジニアのこだわったポイントの他に、品質保証の方の試験で頑張ったところ、プロダクトマネージャーによる製品名の由来なども記載しています。
「努力」に「共感」してもらうための「サプライズ」を創出
イベントそのものも楽しくないと盛り上がりませんので、趣向を凝らした料理を用意したり、オープニングでダンスを踊ったりもします。ただ、こちらは感動課長としてではなく、あくまで宴会部長としてであり、おまけの仕事になります。(ここら辺の違いは次回にでも書きたいと思います)
あと、これはリリースパーティーに限った事ではないのですが、さまざまな関係者にインタビューしに行くこともあります。実家が中華料理屋さんをやっていると知ると、こっそりそのイベントの食べ物にご実家の料理を混ぜてみたり、家に遊びに行ったことがある人を頼りに家族から手紙をもらったりもします。
最近ではまたどこかに行くんじゃないかと思われているので、驚かせようとすると大変です。ただ、この世の中、頑張ればその人に繋がる情報は手に入るものです。怖い世の中ではありますが、感動課にはありがたい世の中です(決して悪いことはしてません)。
あわせて、社のイベントに有名人が招待されるときなどは、広報にお願いして楽屋に潜入したりもします。とあるワイルド芸人にオフィス移転のメッセージをもらったり、某アイドルグループには愛用しているサイボウズ製品を作ったエンジニア向けに引っ越しのお祝いメッセージをもらったこともありました。
今は参院議員になられた闘魂を注入される方は、社員向けに「ダー!」をやってくれました(これを見て一番喜んだのはプロレス好きの社長でしたが…)。
イベントの中でも開発者に前に出て貰って開発の苦労話を聞いたりします。前に出てしゃべるのが苦手な開発者も多いのでひと言だけだったりするのですが、聞く人にグサッとさささる言葉を聞くことができます。
思い入れでいうと、社長自らも並々ならぬものがあり、前で話されながら「色々な人に迷惑をかけたね」と涙された時もありました。創業者でもある社長が前で泣いているのでそれを見て社員もしんみりとするのですが、自分だけはニンマリとしていたようです。
前の方で見ていた社員に「何、ドヤ顔してんねん!」と野次られました。すいません、職業柄か人が涙して感動しているのを見ると「してやったり」と思ってしまうものでして……。「ちゃうちゃう、それ感動課の手柄ちゃう」って副社長に突っ込まれるときもしばしば……。
人の「努力」に周りが「共感」し、「手間」と「メッセージ」を加えて「サプライズ」を用意する。最初の一年間、感動課としてやったことを分析し、まとめたものが以前のコラムで度々紹介していた「kando5」の5つのエッセンスになります。
人それぞれ考え方も違いますので、同じことを違う人にしても感動しなかったりもします。場の雰囲気や得意不得意な企画もありますし、そもそも人前で感動するのが苦手な方もいます。
どちらかと言うとリリースパーティーなどの社内イベントは大勢で盛り上がるので、派手な面がありますが、その後ろにあるそれぞれの感動をしっかりとりあげていきたいと思っています。
こんな事を考えながら今年の企画も進めないといけませんので今回はこの辺にさせていただこうと思います。次回、”感動課”の不思議な毎日、衝撃のラストは「感動課、山に登る」をお送りしたいと思います。お楽しみに。