【連載】「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」――福里真一
1、はじめに
2、第1回「電信柱の陰からおずおずと語りはじめる」
3、第2回「幼稚園では藤棚の柱の陰だった」
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(1)
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(2)
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(3) ー こちらの記事です。
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(1)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(2)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(3)
電通・コミュニケーション・デザイン・センター エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター
髙﨑卓馬氏
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ワンスカイ CMプランナー・コピーライター
福里真一氏(『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』著者)
シンプルに「広く」「告げて」ヒットを目指す
髙﨑 今、福里さんがつくっているCMっていい感じのものが多いですよね?
福里 いい感じですか?いい感じは、あなたじゃないですか!
髙﨑 いや、僕のいい感じと、福里さんのいい感じはちょっと違いますよ。僕は、「金八」ですから(笑) 僕、「当たる」のって大事なんじゃないかと思うんです。福里さんは「明日があるさ」で当たり、「BOSS」で当たり、でっかくはまっていくなかで自分のスタイルが決まっていったんじゃないですか。
福里 そうですね。スタイルが決まるということではないと思うんですが、何を目指せばいいのかがわかってきたというのはあるかもしれません。せっかく今、広告の仕事をやっているんだから「広く」「告げて」ヒットすることをシンプルに目指そう、そういう感じになったというか。自己表現という気持ちで企画するということはないですね。髙﨑さんは、どちらかというと自己表現が入ってますよね。
髙﨑 僕は、まだ満塁ホームランを打った感じはないんです。表現としてキレのいいものをつくったとか、それが相対的に評価されたというのはあるけれど、「広く告げるもの」がはまった瞬間の気持ちよさは、まだ味わってない気がします。福里さんは、それを何回も味わっている気がするから、そういうのを味わってきている人との違いはあるかもと思います。
福里 髙﨑さんはヒットというよりは、なんというか、「キネマ旬報」の1位というか…。
髙﨑 確かに…。「キネ旬」の順位は、気にしているタイプですね(笑)
福里 あと、髙﨑さんとの違いは大衆性みないなものかなと。僕の場合は「電信柱の陰から見てるタイプ」と言うとなんか特殊みたいですけど、1日中テレビがついている、ごく普通の大衆的な家庭で育ってきた。なんというか、知的レベルの高い会話が一切ない感じというか、そういう生まれ育った大衆的な環境も影響しているんじゃないかと思います。
あと、周り中からバカにされながら生きてきたという気がするので…、自分がレベルの高いものをつくれるという感覚がないわけですよ。なので、高さを目指そうという感覚がなくて。そこも僕としては大事にしていて、高いところを目指して山を登っていく感じではなく、ずっと同じ高さをぐるぐる回っていようと思っているんですよね。髙﨑さんは、高みを目指して登っている感じがしますね。
髙﨑 そうですか?
福里 それと、成功、失敗はあるかもしれないですけど、全部のCMが「高崎印」になっている気がします。
髙﨑 失敗したり、相手にがっかりされたりするのが本当に嫌なんです。胸の奥がざらっとするような後悔が生きていて一番嫌で。そうならないように必死に努力しているだけです。
≫次ページに続く 「企画の“筋力”は鍛え続けて強くなる」
【連載】「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」――福里真一
1、はじめに
2、第1回「電信柱の陰からおずおずと語りはじめる」
3、第2回「幼稚園では藤棚の柱の陰だった」
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特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(3) ー こちらの記事です。
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