ザ・リッツ・カールトン大阪は、7年半前からの偽装であり、7月に発覚していたにもかかわらず公表していなかった点に加え、その時点で風評化していた阪急阪神ホールディングスグループであったことで風評化に拍車がかかった。これまで最高峰のサービスを提供し、一流の名声を得ていた著名ホテルのブランドが一気に崩壊した瞬間でもあった。
(図3)3つのホテルのツイート波及状況:資料提供VLe
(図4)テレビ放映波及状況:資料提供VLe
帝国ホテルは、過去の誤表示についてのリリースを公表していたが、既に解決済みであったことや、その内容等に関する説明など、詳細を伝えたことで風評化せず、終了している。
近鉄系ホテル・旅館は、発表の度に新たな偽装が発覚し、また、そのメニューの記載内容や仕入れに対する販売価格などでも大きな波紋を呼んでおり、阪急阪神ホールディングスに続いて2人目の社長辞任となったことで現在も厳しい目が向けられている。
名鉄系ホテルも、複数回の公表を繰り返し、炎上期間を伸ばしてしまった経緯があるが、他のホテル・旅館や百貨店業界への偽装問題の風評のシフトの端境期にあたり、打ち消される形で沈静化、現時点では収束している状況である。
この他にも、小田急グループのホテルについては、Twitter炎上期間2日間で、11月1日で最大約300件(炎上期間合計は438件)が確認され、テレビ報道も5番組、15分20秒ほどとなったが、大きな風評とはなっていない。
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白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
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