【前回までのお話】
Jリーグの新たなビジネスモデルをつくりたい!
――その考えのもと、サッカー人気が高まりつつあるASEAN諸国に進出しよう。しかも、日本のJリーグで培ったノウハウを生かしたコンサルティング事業で、と構想し始めた山下さん。しかしながら当初は、周囲の賛同を得るための説得力があまりにも不足していました。そこでまずはアジアサッカーの実態を把握するべく、2011年1月、山下さんはカンボジアへと飛び立ったのでした。
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さて、アジアサッカーの状況を把握するために、2011年1月、なぜか大量のユニフォームを抱えてカンボジアへ飛んだJリーグ一行。このカンボジアへの旅が、後のアジア戦略室設置に大きく関わってくることになります。
新規事業で提案するも・・・
2010年2月、年1回開催している新規事業提案会議で、アジア各国へのコンサル事業を提案したのですが、反応はイマイチ…。それもそのはず。Jリーグとしても、ASEAN諸国のサッカー事情など十分に把握できていませんでしたし、Jリーグがコンサルをすることの必然性・ストーリーもまったく見える化できていませんでした。
そうして、その後しばらくの間、アジア展開への。心の奥底ではアジアへの熱い思いがふつふつと煮えたぎり、諦めきれずにいました。
そんな中、ふと思いついたのが、当時実施していた「Jリーグ特命PR部」の活用でした。これはSNSを使って、サポーターやファンと一緒にJリーグの魅力をPRしていくという企画。
サポーターやファンの方々に、Jリーグからさまざまなミッションを出題、それをクリアしてもらうことで、自然とJリーグのPRにもつながっていくというつくりでした。
年間を通して7つのミッションを予定しており、もともと運営メンバーの間では「7つ目は社会貢献系のミッションにしたい」という思いがありました。
そこで考えたのが、サポーターからユニフォームを送ってもらい、それをカンボジアの子どもたちに届けよう、というユニフォームの寄付企画でした。
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