水道水の飲める国から発展した「世界の飲料水事情」
制作のステップとしては、まず編集者であるアトールと発行者である私とで、テーマ決めの編集会議を開きます。例えば81回の「世界の飲料水事情」の場合、アトールが、「水道水をそのまま飲める国」という国交省が公表しているデータに目を付け、これを元にインフォグラフィックを制作することを提案してくれました。
しかし、このデータはかなりざっくりとしており、水道水が飲める国もわずか15カ国で、データのない国も多く、これだけをインフォグラフィックにすると、やや寂しいものになりそうだということがわかりました。そこで、テーマを旅先での飲料水事情に拡大し、メインのデータとして水道水がそのまま飲める国を入れつつ、世界主要都市のミネラルウォーターの値段(ホテルおよびスーパー)なども追加して制作することに決めました。
次のステップが、デザイナーの徳間氏を交えてのデザイン会議です。アトールから、まとめたデータをもとに、どのようなテーマでどのようなグラフィックを想定しているのかを説明。徳間氏がその場で書き上げるラフを見ながら、具体的にデータをどのようなイメージに落とすのかを話し合います。
このときは、水道水が飲める国を蛇口で表して地図上にプロットし、ミネラルウォーターの価格は、地図の外に価格順でグラフ表示すること、また、エリアによってデータの偏りがあり余白ができることから、各国の代表的なペットボトルのイラストをちりばめることなどが、最終的に決定しました。