「ネイティブアド」に注目
多くの新聞社サイトでは、外部サイトとの連携も進んでいる。ツイッターを利用し自社アカウントで情報を発信するほか部署や取材班、記者個人のアカウントを通じて読者との双方向のコミュニケーションを取る試みが増えてきている。
ユーザーが電子版の記事をツイッターやフェイスブックに投稿(シェア)し情報が拡散していくケースも増えている。これは、新聞社サイトの強みのひとつと言えるだろう。
2013年9月に発表された電通パブリックリレーションズの調査結果によると、インターネット上の情報をSNSなどのシェア機能を利用して拡散させる場合、信用する情報ソースとして、新聞社サイトがヤフーやブログ、各種まとめサイトを抑え最も高いスコアを獲得している。
新聞社がネット上で発信する信用力の高い情報は、他メディアと比べて大きな拡散の起点となるという強みを既に発揮している。
課金型電子版の最大の広告主メリットは、関与度の高い、良質な読者層である。また、本紙と異なりスペースの制約を受けにくいということも、広告主にとっての利点であろう。コンテンツマーケティングという手法が広告主の注目を集める昨今、特に米国で活発化している「ネイティブアド」は、電子版に適した広告商品となり得る。
ネイティブアドとは、フォーマットが編集コンテンツと同様の記事体広告を指す。また異なる視点では、ソーシャルメディアやスマートフォン、タブレット端末など、消費者のメディア接点の変化や多様性に最適化した結果の広告形式とも言える。
代表例はフェイスブックのスポンサー広告やツイッターのプロモツイートで、タイムラインや編集コンテンツに自然に表示されることが特徴だ。米国では新聞社も多く取り入れて収益を拡大しており、コンテンツマーケティングに重きを置くようになった広告主にとっての新たなコミュニケーション手法として注目を集めている。
日本でも同様に、各紙電子版が広告主にこのようなコミュニケーションの場を提供できるようになると、さらなる収益の拡大につながりそうだ。