【前回までのお話】
サポーター、ファンとの連携により、カンボジアの子どもたちにJクラブの色とりどりのユニフォームを届け、さらにタイのプレミアリーグ視察も実現することができた山下さん。山下さんの熱意と帰国後に提出した視察レポートが奏功し、アジア進出戦略は正式なプロジェクトとして認められることになり…。>連載1回目 「20周年を迎えた、Jリーグ アジア戦略の仕事とは?」
>連載2回目 「アジアへの第一歩!Jリーグ、カンボジア&タイへの旅」
2011年4月に新規事業開発プロジェクトが立ち上がり、ASEAN各国への本格調査が始まりました。最初に注目したのは、タイとインドネシアです。タイは、2009年にタイプレミアリーグ(TPL)が立ち上がり、観客も年々倍増しているとの情報が、インドネシアは熱狂的なサッカーファンがいて、スタジアムは常に満員との情報がありました。
そこで、まずはタイへ飛び、メディアやPR会社、広告会社、日系企業、TPLのクラブを訪問しました。
TPLの人気やメディアバリューをヒアリングするため、PR会社の社長に会ったのですが、この方、もとは政府の要職に就いていた、首相ともつながりのある政界の大物。まさか、そのような方が出てくるとは…!なぜサッカーの話を聞きに行って、政界の大物に会うことになったのか…。
次に向かったのはインドネシア。各所を回ると、ここでも政財界の有力者が打ち合わせに出てきました。通常のビジネスミーティングで訪問しても会えないような方々が、次々と出てきてくれるのが不思議でなりませんでした。
Jリーグが蓄積してきたノウハウを各国にコンサルして収益を得る、その可能性があるのかどうかの単なるヒアリングだったにも関わらず、なぜか毎回、大物ばかりが出てきて会ってくれるのです。
≫次ページ 『“大物”が証明した「日本サッカーの価値」』に続く