「私の広告観」
ヒット作品や話題の商品の作り手など、社会に大きな影響を与える有識者の方々に、ご自身のこれまでのキャリアや現在の仕事・取り組み、また大切にしている姿勢や考え方について伺います。
人の心をつかみ、共感を得るためのカギとなることとは? 広告やメディア、コミュニケーションが持つ可能性や、現在抱えている課題とは?
各界を代表する"オピニオンリーダー"へのインタビューを通して、読者にアイデア・仕事のヒントを提供することをめざす、『宣伝会議』の連載企画です。
【連載】「私の広告観」
私の広告観(1)注目高まる『半沢直樹』原作者・池井戸潤さん
私の広告観(2)ギョギョギョ!世界で通用する、さかなクンの“ギョ”ミュニケーション
私の広告観(3)壇蜜さん「広告のお仕事に呼ばれたら、きちんと『おつとめ』を返せるような存在でありたい」 ー こちらの記事です。
壇蜜さん/タレント
グラビアモデルから、映画、ドラマ、バラエティ番組と活躍の場を広げ続けている壇蜜さん。ラジオの冠番組では“お耳の愛人”でありたいと語る彼女に、「自分の言葉で伝えること」へのこだわりを聞きました。
(「宣伝会議」2013年12月1日号紙面より抜粋)
そのままの壇蜜にクスリと笑って
テレビや雑誌、最近では広告など、声をかけていただくジャンルが増えたことを、とても光栄なことに感じています。いわゆる従来からの“壇蜜”のイメージとのバランスを保つことに難しさを感じるケースも出てきているのですが、そうした中でも皆さんにとって、そして私自身にとって納得できる見せ方があると思っています。
「広告のお仕事が欲しいからヌードはやらない」ということはなく、ヌードをやってもお呼びいただけるなら、その企画を盛り上げるお手伝いを粛々とさせていただきたい、という気持ちです。グラビアの世界には愛着があるのですが、それを良しとしない方もたくさんいらっしゃることを理解した上で、自分の考え方や言動に責任を持たなければという思いも強くなってきました。
だんみつ/1980年秋田県生まれ。フィットワン所属。多彩な経歴を経て、『週刊SPA!』の一般公募型グラビア企画「美女タレント発掘プロジェクト どるばこ」でグラビアモデルデビュー。映画『私の奴隷になりなさい』『甘い鞭』ほか、テレビのバラエティ番組へ数多く出演し、『だんくぼ、彩』(テレビ朝日/毎週火曜深夜1:21〜)にはレギュラー出演中。大ヒットドラマ『半沢直樹』にも出演した。『東京ウォーカー』「壇蜜の東京迷い蜜」、『MEN’S CLUB』「壇蜜の吐息」など、幅広い雑誌に連載を持つ。文化放送『壇蜜の耳蜜』(毎週月曜19:30〜20:00)ではラジオパーソナリティーも務める。 オフィシャルブログ「黒髪の白拍子」
一緒にお仕事をさせていただく企業や広告会社、メディアの方は、皆さん「こうしたい」という強い思いをお持ちですから、それを汲み取ることが私の一番の仕事だと思っています。広告もテレビ番組も、そこに関わる方たちが何を求めているのかを聞かずして、人前に立つことは許されないと思うんです。
特に広告では、自分が使ったことがないものをPRするのは不安ですので、当たり前かもしれませんが、商品を見てみる、使ってみるということは忘れずにやりたいと思っています。先日、とある商品の広告に出演させていただいた時も、起用が決まった際にいただいた商品を1~2カ月使っていました。
いざ迎えた撮影日、企業の方は商品のPRポイントをまとめたシートや台本を作ってきてくださったのですが、「自分が使ってみた感想を、自分の言葉で話しても大丈夫ですか?」と伺ったところ、とても喜んでくださって。それがすごく嬉しかったんです。10あるうちの7つくらいしかPRできていないかもしれないのですが、朝起きてから夜寝るまで付き合った商品だったので、それをすごく身近に感じていることをお伝えできていたらいいなと思っています。つかえても、拙くても、WEBや店頭では全編公開していただくようなので、恥ずかしいのですが…(笑)。
広告の商品を買って喜ぶ方と、私のグラビアを見て喜んでくださる方は必ずしも合致しない。ただ、まったくの別環境にいるわけではありませんから、多少なりともその2つの円が重なり合って、商品や企業を盛り上げることができたら嬉しいですね。贅沢なお話ですけど…。
お呼びいただいたら、きちんと“おつとめ”を返せるような存在でありたい。代打であれ、指名打者であれ、しっかり返すことができるのは、日々の鍛錬の結果。だからこそ、置かれたところでしっかりと咲いていなければと思うんです。
「宣伝会議」2013年12月1日号紙面より抜粋