インバウンド販促の“秘伝” ① 「日本全体を巨大な商店街として考えよう!」

インバウンドはもう一つの輸出産業!

たとえば、アジアの観光大国タイやインドネシア〔バリ島〕などでは、すでにGDPの30%近くがインバウンド観光収入によって占められています。〔ちなみに日本のインバウンドはGDPの1%未満!!〕各国にとってインバウンドは、外貨を稼ぐ大変重要な産業です。そもそも、観光産業は大きく、次の3つに分けられています。

  • インバウンド〔海外→その国にやってくる旅行〕
  • アウトバウンド〔その国→海外に出かける旅行〕
  • イントラバウンド=国内観光〔その国の中の旅行〕

日本人が海外旅行にでかければ、②のアウトバウンドです。これは、メルセデスやフォルクスワーゲンなどの自動車輸入業と同じです。日本のお金が外に出ていき、その代わりに外車が日本にやってきます。たとえば、ブランド好きの奥様がパリに旅行に行き、財布から大金を出してヴィトンやエルメスのブランド品をたくさん買い物して帰国すれば、これは輸入業です。

一方、①のインバンドにおいては、外国人観光客は日本の旅行を楽しみ、日本のグルメを満喫し、「おいしかった」という無形の思い出や有形のお土産物を本国に持ち帰ります。だから、これは輸出産業です。インバウンドは外貨を稼ぐ輸出産業なのです。

そして、③のイントラバウンド=国内観光。日本人が国内観光すれば、これはただの内需です。国際収支には何の関係もありません。

先日、報道されたとおり、我が国の2013年10月の貿易収支は1兆907億円の赤字でした。これで貿易赤字は16カ月連続となっています。貿易の赤字を、インバウンドすなわち、” もう一つの輸出産業” で補わねばならない状況なのです。

チームジャパン、オールジャパンという視点

上述のとおり、インバウンドでは、同業他社、隣接観光地も味方です。お互いが、日本の観光コンテンツ強化のための大事な応援団なのです。国内だけの目線で商売をしている時代はすでに過去のものとなっています。

では、なぜ、国内のライバルがインバウンドの分野では、味方に変わるのでしょうか?

≫次ページ 「ライバルの利益を考えて行動を起こそう!」に続く

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中村 好明(ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長)
中村 好明(ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長)

1963年生まれ。2000年、ドン・キホーテ入社。

広報、IR、マーケティング、CRM、新規事業担当を経て、2008年、社長室ゼネラルマネージャーとなり、訪日客誘致の責任者を兼ねる。

2013年7月、社内の訪日観光戦略部門をスピンアウトさせて、ジャパン インバウンド ソリューションズ(JIS)を設立し、その代表取締役社長に就任。あわせて、ドン・キホーテグループ全社の訪日客誘致プロジェクト責任者を務める。松蔭大学 観光メディア文化学部 客員教授。

中村 好明(ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長)

1963年生まれ。2000年、ドン・キホーテ入社。

広報、IR、マーケティング、CRM、新規事業担当を経て、2008年、社長室ゼネラルマネージャーとなり、訪日客誘致の責任者を兼ねる。

2013年7月、社内の訪日観光戦略部門をスピンアウトさせて、ジャパン インバウンド ソリューションズ(JIS)を設立し、その代表取締役社長に就任。あわせて、ドン・キホーテグループ全社の訪日客誘致プロジェクト責任者を務める。松蔭大学 観光メディア文化学部 客員教授。

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