バスキュールの西村真里子さんに聞きに行く! 「みんなが主役時代の参加できる広告って?」(後編)

サービスは母艦、コンテンツは子機

OL八極拳

OL八極拳!オフィスでの護身術から恋愛術まで、中国拳法を日常生活で使ってみた。

谷口:バスキュールさんがすごいと思うもう一つのポイントは、サービスとコンテンツの両方をつくっているところです。

西村:サービスが母艦で、そこから飛び立つ子機がコンテンツという感じなんですよね。

私たちは映画配給会社でもテレビ局でもない。なので、まずはサービスという土台をつくることから始めないと駄目かなと思ったんです。テレビ局と組んで「M.I.E.S.」のような、スマホやソーシャルを連携させたサービスのプラットフォームをつくっていますが、こういう「母艦」ができると、いろんなコンテンツに挑戦していけますから。

谷口:たしかに記事の場合でも、単体だと誘導をどうするかが大変です。livedoorニュースなどの、なんらかのメディアをまず運営していないと見てもらえずシェアもされにくい。

私はシェアされるためには、広告らしくない広告である必要があると思っていて、そのために、第三者の目線をいかに入れるかを考えているんです。あえて商品をいじったり、冷たく扱ったりするんですが、それはユーザーの声を代弁するという感覚なんです。

ただ第三者の目線の入れ方は、いろいろバリエーションがあると思うんですよね。

西村:コンテンツ自体をシェアされるような内容にすることも大事ですが、過去にはバナー広告自体に、思わずクリックしたくなる、人に教えたくなる仕掛けをしようと「ソーシャルバナー」の企画を具体化したことがあります。

2011年に行われたmixiさんとの協業の「NIKE FRIEND STUDIO」キャンペーンの一環としてつくった広告で、「NIKE FRIEND STUDIO」サイト上で「NIKEiD」を自分好みにカスタマイズでき、そのシューズに名前も付けることができる。さらに「mixi」上の友人ページのバナー枠に、そのシューズを表示することができる、というものです。

ここで目指したのは、「自分ゴト化」ですね。

谷口:自分ゴト化は、大事な要素ですよね。私の場合は、「身近なものに置き換える」という方法で、自分ゴト化することが多いですね。例えば、中国拳法の映画のプロモーションで、中国拳法を社内暴力に置き換えたり…。身近なネタに置き換える技はよく使います。

≫次ページ 「シェアされやすい感情、されにくい感情」に続く

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谷口 マサト[LINE 広告事業部 チーフプロデューサー]
谷口 マサト[LINE 広告事業部 チーフプロデューサー]

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

Blog: http://blog.chakuriki.net/
Facebook: https://www.facebook.com/masato.taniguchi.5
Twitter: http://twitter.com/chakuriki

本コラムは連載【「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門】の続編となります。

谷口 マサト[LINE 広告事業部 チーフプロデューサー]

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

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