日本アド・コンテンツ制作社連盟は、映像文化発展のため、映像クリエイターの発掘・育成・映像技術の向上を図り、制作サイドの見地から表彰を行う「JAC AWARD」(後援:総務省)の最終審査を行い、2013年の各賞を決定した。
同賞は、個々の作品に対する制作能力や制作努力・制作アイデアなどを通じて、それぞれの「プロデューサー力」「プロダクションマネージャー力」を評価するもの。
JAC会員社の35歳以下のプロデューサー(もしくは経験年数が5年以下)、および28歳以下のプロダクションマネージャー(もしくは経験年数5年以下)が応募対象となる。今年はプロデューサー27名、プロダクションマネージャー30名の応募があった。
最優秀賞に当たる「リマーカブル・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのは、電通クリエーティブXの藤岡将史氏(35)。藤岡氏は「HONDA internavi sound of Honda ayrton senna 1989」、サントリー オールフリー「父と娘のロードムービー」篇、日本中央競馬会 2012「13年度G1振興プロモーション」などを手がけた。ホンダの施策では、アイルトン・セナのエンジン音を再現し映像化するという未知の新しい領域に挑戦し、鈴鹿サーキットを貸し切っての大規模撮影を完遂し、クオリティの高い作品に仕上げた。こうした優れた制作能力が高く評価された。
ファイナリストには、AOI Pro. 加藤久哉氏(36)、ティー・ワイ・オー 渋川恭一氏(36)、東北新社 大出雅夫氏(34)、ピクト 小山田昌弘氏(36)の4名が選出された。加藤氏は日本コカ・コーラ「グラソービタミンウォーター」の“地球貫通日米大綱引き”映像制作やロボットバンドZIMA 「Z-MACHINES」を、渋川氏はKIRIN のどごし〈生〉「夢のドリーム」シリーズを、大出氏は富士重工業 SUBARU のWebムービー「minicar」シリーズを、小山田氏は東日本旅客鉄道「行くぜ、東北。」などをそれぞれ手掛けている。
「リマーカブル・プロダクションマネージャー・オブ・ザ・イヤー」には、電通クリエーティブXの峯尾心氏(30)が選ばれた。峯尾氏は、ライドオン・エクスプレス「銀のさら」のCM撮影において、タイトな予算のため、控室をショーウインドウにし、スタジオ横の空き地をカフェセットにし、ロケハンは自ら行い、キャスティングも写真を参考に自分で行い、足りない分はスタッフに出演してもらうなどの工夫によって、2日間88カットの撮影をし、予算内でインパクトのある作品に仕上げたという。
同ファイナリストには、AOI Pro. 川口雅弘氏(29)、同 白澤泰介氏(27)、太陽企画 片桐広基氏(29)、同 島田磨以子氏(28)、東北新社 佐藤良祐氏(26)の5名が選ばれた。
表彰式は2014年1月7日、JAC新年会に先立って行われる。