滑っても味になればOK、「日本一の嫌われ芸人」NON STYLEの発信術

漫才の頂点を決める「M-1グランプリ」で2008年、グランプリ王者に輝き、一気にスターダムを駆け上がった吉本興業所属のお笑いコンビ「NONSTYLE」。多くのレギュラー番組を経験し、CMにも多数出演、企業の記者発表会などにもゲストとして呼ばれる機会の多い彼らに、“NON STYLE流”メディアやファンとのコミュニケーションについて聞いた。


NON STYLE(のんすたいる)お笑い芸人
石田明と井上裕介の2人による漫才コンビ。所属事務所は吉本興業東京本部。2000年5月14日に結成し、オーディションを受けてbaseよしもとに入る。爆笑オンエアバトル第9代目チャンピオン。2008年M-1グランプリ王者。所属する吉本興業東京本部の中庭にて。撮影時、井上さん(右)はハマり中の「あまちゃん」トークに夢中。あくまで自然体なのも持ち味だ。

普通じゃない感をいかに出すか

「単純に“良い人”として振る舞って記憶に残らないなら、悪い人と思われても記憶に残す方が大切だと思っています」と話す、ツッコミ担当の井上裕介さん。「よしもとブサイクランキング」で、2年連続首位に輝いた自他ともに認める「嫌われキャラ」が売りだ。ブログやツイッターでの炎上は日常茶飯事。

だが当の本人は笑顔で自信満々、この逆境に屈する様子は微塵もない。「僕らの仕事は、相手の記憶に残ってなんぼ。たとえばテレビ出演の時も、滑っていても記憶に残っていればそれは勝ち。“普通じゃないよ”っていう演じ方をすることが大切なんです」。

時に“日本一嫌われている芸能人”と称されることも多い井上さんだが、それも「記憶に残す技」の結果。ただし「嫌われ度合」のバランスは慎重に見極める。「正直なところ、僕は記憶に残すということでは上手な方だと思っています。

気を付けているのは、人によって接し方を変えること。要はアクセルの問題です。ちょっと失礼なことを言っても大丈夫そうなタイプの人ならアクセルを踏み込むし、そうでなければ慎重に。嫌われるのは(キャラになるので)良いですが、嫌われ過ぎると良くない。そのさじ加減が難しいところですね」。

≫次ページ 自分の見せ方とかキャラはあんまり考えてない(石田明)」に続く

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