鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
実務者からみる最新バズワード
ソフトバンクモバイルの朝火さんに続き、このコラムを引き受けることになりましたニューバランスジャパンの鈴木です。
コラム的には最新デジタルマーケティング用語をわかりやすく解説することになっていますが、当社はデジタルマーケティングの最先端を走っているなどとは決して言えないので、実務者として、メディアを賑わす「デジタル系バズワード」とどう付き合っていけばいいかを自分なりの視点でお話したいと思います。
初回の今回は、まずは用語に入る前に基本的なバズワードに対する心構えから解説します。
「バズる」用語の5つのタイプ
まずご紹介したいのは、聞きなれない用語に出くわした際の、最初のお付き合いの仕方です。
これには楠木建氏が著書『ストーリーとしての競争戦略』で紹介しているバズワードの分類が参考になります。氏は大きく分けて
①ただの英訳、②形容詞もの、③現象もの、④方法(ツール)もの、⑤概念ものの5つに分けています。
例えばビッグデータのようなバズワードは、②の形容詞ものです。形容詞のものは「ビッグ=大きいデータ」と示しているだけでそれ以上ではない。実をいうと、この5分類のうち1から4までは、その言葉の直接的な意味がわかっても役に立ちません。
アルファベット略語は基本的に無視すべし?
今回の用語のDMP、DSP、SSPはここ1年で急によく耳にするようになったデジタルマーケティング用語です。
最近のデジタル用語はとにかく取っ付きにくい。一因としては指標も含めてアルファベットの略語が多いから。略語というのは実際どこでも内輪でしか通じない言葉です。特に米系外資系の企業の社内は略語ばっかりで苦労します。
「今回のSMUに対してマーケのPOVを出してくれればSSMにかけあうよ」と意味不明です。
自分の場合は略語に出くわしたら基本的に無視します。たいていそれは「築地」とか「来来軒」とか「鈴木」等の指示語と同じだからです。
事実「今回の築地に対してマーケの来来軒を出してくれれば鈴木にかけあうよ」と言い換えてもわかったような(?)気がします。こういう語はただ担当者に「それは何?」といつも昼に行く定食屋の名前を聞く程度の問題です。