ラジオは、車を運転しながら、仕事をしながら、家事をしながら聴くことができます。つまりリスナーは、今すべきことをしながら聴いてくださっている。仕事や家のことで、出かけることは少ないけれど、情報を求めてラジオを聴いてらっしゃる。
しかもお仕事をされていれば、自分の意志で、もしくは自分のお金でたとえ高額商品でも購入を決定できる方たちでもあります。そうしたリスナーの方々に、ほかでは手に入りにくい商品を私が取材をちゃんとして、その商品の背景も含めた情報をお伝えしますよ、というスタンスでラジオ番組を手がけるようにしたのです。
ラジオ通販の30分番組形式は、私がはじめて行ったものだと思います。商品の背景を丁寧に説明する。今も続くラジオ通販番組の原型は、こうして出来上がっていきました。
すると、この姿勢に賛同する形で、東京・名古屋のラジオ通販の先駆者である商社が、商品の仕入れに名乗りをあげてくれました。前回お話しした、カシミヤセーター700枚、真珠のネックレス100本などのヒットは、こうして生まれることになったのです。
カシミヤは当時、なかなか手に入りにくい超高級品でした。当時、3万円は当たり前だったカシミヤセーターを、1万9800円の常識を覆す破格値を付けて売り出したところ、1992年から5年以上売れ続けました。
真珠のネックレスは、真珠の主要産地である三重県ではなく四国の真珠の母貝を扱っているメーカーのものでしたが、品質は抜群に良く、直接仕入れに近い形で手に入ったので、破格値で売り出しヒットとなりました。
価格設定を練るのは当たり前として、「どんな方が、どんな場所で聴いていらっしゃるか、それを知ろうとすること」。それを踏まえて商品を選定し、リスナーの「あなただけ」に届ける商品情報を取材し、愛があふれるラジオ番組にすること。
私がはじめに教えられたラジオ通販の心得は、どれだけ大切なことだったのか。それを今になってしみじみと感じています。
ラジオ風に締めれば「今日の一曲、千賀かほる『真夜中のギター』」ってとこですね。。。古いです!