“産声”でつくる、この世で一番未来な音楽 ――福岡・UBUGOEプロジェクトが生まれるまで

生きる力を一番感じるのは産声

11月9日、福岡県・福岡市役所ふれあい広場で開催されたイベント「いちばんのあしたフェスティバル」の告知ポスター。

11月9日、福岡県・福岡市役所ふれあい広場で、九州朝日放送(KBC)60周年記念イベント「いちばんのあしたフェスティバル」が開催された。そのフィナーレを飾ったのが、ドキュメンタリー映像作品「UBUGOE(うぶごえ)」だ。

これはタイトル通り、この世に生を受けた赤ちゃんの産声から音楽をつくりあげるという、これまでにない試みを追いかけたドキュメンタリー映像。

タイトル曲「UBUGOE」は福岡県内で収集された産声をベースに、インビジブル・デザインズ・ラボが楽曲を制作し、九州交響楽団が演奏している。その楽曲の制作過程と福岡県内の妊婦たちの出産までのドラマをまとめた約25分の映像が当日公開された。

九州朝日放送は、2013年3月に創立60周年記念事業「いちばんのあしたプロジェクト」をスタートした。

福岡の歴史を振り返り、過去、現在、未来を見つめ直すべく、これまでに特別番組、コンテスト、ワークショップなどさまざまな企画が実施されている。

そのフィナーレを飾る、未来に向けたイベントを電通九州のクリエイティブチームが担当することになった。

「福岡の歴史を振り返る中で、子どもたちに何を残すべきか、どんな未来をつくっていくべきか――。

さまざまな方向性を検討した中で、未来への希望や生きる勇気を人々に一番与えられるものではないかと思えたのが、生きる力を一番感じる産声でした」と、映像の製作総指揮を務めた電通九州 クリエーティブディレクター 今永政雄さん。

この世に生を受けて、初めて発する赤ちゃんの産声には生きる力、未来へと向かう力がギュッと恐縮されたような力強さがある。「生きる」ことに向かって一番純粋で、一番強い音から、一番未来な音楽を作ろう――。

そんな思いから、UBOGOEプロジェクトが今年3月にスタート。産声から音楽が生まれるまでをドキュメンタリーとして記録することになり、カメラマンには国内外で数々のドキュメンタリー映画の撮影を手がけた山崎裕さんが、そして演出には若手の注目ディレクター 鈴木わかなさん(電通クリエーティブX)が参加することになった。

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