第1回 もはや家電見本市ではない!?
-CESで体感したコミュニケーションの未来
森 直樹(電通 コミュニケーション・デザイン・センター プロデューサー 兼 事業開発ディレクター)
今年もCESのシーズンがやってまいりました!
ご存知のない方にCESを解説すると、CESとは、コンシューマー・エレクトロニクス・ショーの略で、米・ラスベガスで毎年1月に行われる世界最大規模の家電トレードショーのことです。
国内外の家電メーカーを始め、モバイル、IT、自動車、ウェルネス・ヘルスケアに至るまで幅広い企業が出展しています。
「すぐそこにある未来」が見える
このCESで発信されるテクノロジーやサービス、プロダクトが、生活者のライフスタイルに影響を与えることはもちろん、コミュニケーションへの影響も予見できます。
たとえば、近年のCESの目玉の変遷を見ると、インターネットに接続することを前提としたテレビ「スマートテレビ」「インターネットテレビ」。その後、スマートフォンの世界的な普及から、モバイル関連の出展や発信が増え、特に昨年のCESからはモバイルが完全に主役の座を得ています。
さらにCESではセカンドスクリーンが注目され、テレビとネットの融合の未来は、ネットに繋がるテレビだけではなく、テレビに対する「セカンドスクリーン」としてのモバイルやタブレットPCとテレビの関係が注目を集めています。
今やCESでは、企業が出展するテレビや白物家電、自動車までもが全て、スマートフォンと接続することを前提としております。まさに、モバイルファーストな世界が家電の世界でも浸透しているのです。
今年のトレンド
レポート1回目は、CES本番前に注目のプレスイベント「CESUnveiled」の速報です。CESUnveiledは、1年で最も早く最新のイノベーティブなプロダクトが一同に会するイベントです。それではUnveiledで発表された商品を紹介していきます。
Unveiledでは、スマートフォンと連携することを前提とした機器が多く出展されていました。機器が搭載するセンサー情報をスマートフォンの専用アプリで確認したり、機器そのものをスマートフォンと通信することで操作したりすることで、価値を高めているようです。
今回、CES2014で私が注目するキーワード、それは「IoT」です。IoTとは、モノのインターネット(InternetofThings)の略で、インターネットにパソコンやプリンタ等のパソコン周辺機器だけではなく、様々な”モノ”を接続する技術のことを指しています。
IoTは、2014年テクノロジートレンドの中心的なキーワードになると筆者は考えています。Unveiledでは、IoTが様々な製品分野に浸透するであろう未来を示唆しているようでした。
「SCHWINN cycleNav」。スマートフォンの専用アプリと連携、アプリで事前に登録した場所へナビゲートしてくれる他、Facebookとの連携や位置情報トラッキング機能も装備。
「Aura Smart sleeping system」。睡眠環境(音・光・室温)を記録し、科学的に検証された光と音のプログラムでベストな睡眠環境を提供する家電。スマートフォンアプリと連携すると、睡眠サイクルの可視化することができる。
「fitbug Orb」。スマートフォンと連携するウェアラブルな活量計。ダイエットや様々なスポーツ用のトレーニングプランをアプリで提供することで、様々なニーズに合わせて活量計を利用することができる。
(次回に続く)
森 直樹(もりなおき)
電通 コミュニケーション・デザイン・センター プロデューサー
メーカー、調査会社、ネット系ベンチャーを経て2009年より現職。スマートデバイス・AR(拡張現実)、ソーシャルメディアに関する調査研究及び事業開発に従事。また、マスメディアとtwitterのタイアップ企画のプロデュースや、SNS活用コンサルティング、企業のFacebookページ立ち上げに携わる。