マルハニチロHD子会社冷凍食品農薬混入事件の正しい読み方(1)

犯人が脅迫を目的として行動に出た場合は、概ね以下の項目を考慮する必要がある。

  1. 汚染行為は、犯人が言及するほどシリアスなものか?
  2. 犯人は単一か複数か?
  3. 犯行は精神異常者、組織的犯行、又はテログループによるものか?
  4. 動機は金銭目的か、愉快犯か、単なる悪戯か?
  5. 犯人の構成年齢は少年か、成年か?
  6. 犯人の指摘する異物混入が現実の現場で発生しうるか?
  7. 会社は包装強化を含めたセキュリティプログラムを向上させるべきか?
  8. 一部の回収行為を実施すべきか?
  9. 警察への連絡を行うべきか?
  10. マスコミへの発表を行うべきか?

製品脅迫のカテゴリーには(1)要求なしの脅迫や苦情、(2)要求付きの脅迫、(3)声明なしの異物混入(愉快犯)があり、それぞれに要求される判断は異なっている。

要求なしの脅迫や苦情の場合に要求される判断

  1. 脅迫には実行力、効果があるものか?
  2. 何が脅かされているのか? その後遺症はどうか?
  3. 会社は警察に通報すべきか?
  4. 会社は情報を公表すべきか?
  5. 会社は犯人との連絡を試みるべきか?
  6. 会社は製品を回収、又は特別な防衛策を講じるべきか?

要求付きの脅迫の場合に要求される判断

  1. 脅迫には実行力、効果があるものか?
  2. 何が脅かされているのか? その後遺症はどうか?
  3. 会社は警察に通報すべきか?
  4. 汚染された製品は回収すべきか?
  5. 会社は犯人との連絡を試みるべきか?
  6. 会社は要求された金額を支払うことに合意すべきか?それとも交渉すべきか?
  7. 会社は支払を実行すべきか?

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白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)

ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。

白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)

ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。

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