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第1回 もはや家電見本市ではない!?-CESで体感したコミュニケーションの未来
第2回:展示の主役はやっぱりテレビ。
森 直樹(電通 コミュニケーション・デザイン・センター プロデューサー 兼 事業開発ディレクター)
CESも現地時間で3日目に突入しました。米・ラスベガスよりお送りする現地速報第2弾では、筆者が展示会場で見かけた気になるモノを紹介していきます。
テレビの展示は「原点回帰」
レポート第1弾で「もはや家電見本市ではない!?」などと発信しておりますが、とはいえ展示の主役はやっぱりテレビ。主要家電メーカーは4K(現地ではUltra HDと呼ぶことも多い)テレビが多く展示され、注目を集めていました。
ちなみに現時点(現地時間1月8日午前11 時)のCESへのSNS投稿ワードランキング1位は「Ultra HD」。
CES展示の主役テレビですが、昨年までは、ネットとテレビが接続した「スマートテレビ」によるテレビの多機能化が全面に押し出されていました。
テレビでSkypeをしたり、ショッピングをしたり、SNSに投稿したり、まるでタブレットPCのようなテレビ画面が主役になっていました。
しかし、今年は「4K」「Ultra HD」と大型化・高画質が全面に打ち出されており、テレビの本来的な機能への原点回帰が起きているのではないかと、筆者は感じています。
各社が4Kテレビを全面押し出した展示を行う。
多くの4Kテレビが出展されているなかで、筆者が気になったのはLGのWEB OS搭載テレビ。WEB OSとはWEBブラウザ上でPCと同様の環境を提供するサービスで、HTML5ベースでアプリ開発が可能です。
優れたUIかつ、WEBベースでアプリの開発ができることから、高い拡張性が期待できます。
画質に原点回帰しているテレビではありますが、ネット接続が前提であることに変わりはなく、次は「ネットで何をするのか?」「ネットで何ができるのか?」にメーカーや周辺業界の注目が再び戻るものと筆者は考えています。
(次回に続く)
森 直樹(もりなおき)
電通 コミュニケーション・デザイン・センター
プロデューサー・事業開発ディレクター。
光学機器のマーケティング、市場調査会社、ネット系ベンチャーなど経て2009年電通入社。デジタルとテクノロジー活用による広告キャンペーンソリューションの開発に従事。最近では、マラソンをRFIDとSNSで拡張する「SOCIAL_MARATHON」をプロデュース。さらに、デジタルによる事業領域のイノベーション支援に取り組んでいる。日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の幹事(モバイル委員長)、著書に「モバイルシフト(共著)」等。