百聞は一見にしかず
それがどうしたことだろう。このVJTMの会場に黄色い法被軍団が足を踏み入れたとたん、彼らは実にすんなりとインバウンドの途方も無い可能性と、それへの対応の重要性を、一瞬のうちに体感、体得してしまったのだ。まさに、「百聞は一見にしかず」、とはこのことだろう。
会場では、世界中からやってきた海外の旅行会社の人々と、日本各地の自治体や観光協会や民間ホテルや各企業のインバウンド担当者が、真剣勝負を行っている。そして、私が率いているドンキのインバウンドチームも、米国人・中国人・台湾人・タイ人のネイティブスタッフ、そして日本人スタッフが、自社のブースで、また海外バイヤーのデスクにでかけていって、わが社の魅力、各店舗の品揃えの魅力を何十社もの相手先に一生懸命売り込んでいる。
店長たちは、それらの光景を目の当たりにして、度肝を抜かれていた。そして、熱心な店長や統括店長やエリアの責任者たちは、口々にさまざまな質問をこちらにしてきた。
「中村さん。どうしたらもっとインバウンドを伸ばせるんだろう?」
「中村さん。多言語POP作成のポイントはどういう点だろう?」
「中村さん。経費は相応の予算を組むから、わが店舗の周辺マップを多言語で作って欲しい。」
「中村さん。多言語のネット動画で、次回はうちの店をフィーチャーして欲しい!」
などの、質問やリクエストを店長たちは矢継ぎ早に寄せてきたのだ。インバウンドプロジェクトを5年半やってきて、こんなに現場のみんなと、ビジョンを共有できた経験はなかった。ほんとうに嬉しかった。彼らのために、これまで以上に頑張りたい、そしてひたむきな店長たちのために、わがドン・キホーテのために、より一層、訪日外客を誘致しようと決意を新たにした。