細分化するマスに、いかに対応するか
廣田:新卒で電通に入社し、広告の仕事をされていた当時の山本さんと、今、事業を自分で立ち上げて、サービスを自分でつくるときと、仕事の仕方って根本が違うと思うのですが。
山本:電通では素晴らしい先輩たちに恵まれ、今でも仲良くしていただいている人もたくさんいて、本当に感謝しているのですけど、でも電通では仕事というほどの仕事をできていないので…比べるのも失礼な話ですね…。ただ僕個人の話は別にして、電通という会社のビジネスモデルはシンプルに言えば、良い「枠」を見つけてきて、それを販売する。
枠に載せる広告がないなら、それも、つくりますよというビジネスですよね。より多くの人にリーチできる「枠」を押さえてきたことが強みですが、広告も一人ひとりの嗜好性の細分化に対応していった結果、最終的には「個人」を見据えるプロモーションへと変化が起きています。この変化にどう対応していくのか。廣田さんみたいな人がでてきている側面もありながら、その動きが本業とどこまでリンクしているのか、ちょっと想像できない部分があります。
廣田:今で言うと、注目される「枠」を押さえることに加えて、そもそものプロダクトやサービス自体に拡散性を持たせる。また、コミュニケーション活動でもキャンペーンを打ち上げて終わりではなく、反応を見ながらPDCAを回し改善していくようなスタイルも取り入れていかなければならないと考えています。
(次回に続く)
(本文中・敬称略)
※本対談記事のダイジェスト版を「ウェブ電通報」でも掲載。
この続きは、来週 2/6(木)に更新致します。
山本憲資
一橋大学商学部でゲーム理論を専攻した後、電通に入社。その後、コンデナスト・ジャパンに転職し、雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。テック系からライフスタイル、ファッションまで幅広いジャンルの企画を担当。2010年4月に独立し、Sumallyを設立。
廣田周作
1980年生まれ。2009年電通入社。コミュニケーション・デザイン・センターを経て、12年からプラットフォーム・ビジネス局開発部。ソーシャルリスニングの知見に基づき、企業のソーシャルメディアの戦略的活用コンサルティングから、デジタル領域における戦略策定、キャンペーン実施、デジタルプロモーション企画、効果検証を担当。ソーシャルリスニングのソリューションとして「Sora-lis」「リスニングプラス」などの分析メソッド、ツイッター上での話題の拡散度合いを測る指標の開発にも関わる。社内横断組織「電通ソーシャルメディアラボ」「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」などに所属。2013年、自著『SHARED VISION』(宣伝会議)を出版。
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