木村吉貴(鎌倉 木村文章店代表。コピーライター/宣伝会議コピーライター養成講座総合コース(現 基礎コース)2004年修了生)
【前回のコラム「「コピーライター」を未来に残したい!(2)」はこちら】
【(ある中学校で)ほんとうにあった怖い話】
僕「じゃあ、まず、コピーライターって職業を知っている人〜?」
生徒たち「(シーン)」
僕「(中学生じゃそんなもんか)はい、わかりました〜。では先生は、コピーライターについてどの程度ご存知ですか?」
教師「なんとなくは知っています。が…」
僕「が?」
教師「コピーライターさんって、どうやってお金を得ているんですか?」
僕「……」
今回、この「ある若手広告人の日常」のお話を宣伝会議さんからいただいてから、僕はまず、自分のコピーライターとしての“半生”と、いま現在取り組んでいることについて振り返ってみました。
僕が、宣伝会議コピーライター養成講座を受講したのは2004年。ちょうど10年前のことです。コピーライターとしてデビューしてからは、9年になります。
その間、コピーライターとしての転職だけでなく、コピーライターとはやや異なる職業や、ほぼコピーライターと同じ業務内容だけれども「コピーライター」とは名乗れない職業も、短い期間ながら経験してきました。
そして、その都度、「コピーライターに戻りたい」と思い、再びコピーライターになる…ということを何度か繰り返してきました。
僕のコピーライターとしての“半生”の大部分は、自分がコピーライターでいること、コピーライターとして生き残っていくことばかりを考えていたような気がします。
いまは、どうか。
コラムの第二回でもお伝えさせていただいたのですが、僕はいま、一般の人にキャッチフレーズ等を提供する “ 文章のお店 ” もやっています。
その拠点が観光地・鎌倉ということもあり、たまにラジオやテレビなどでも「鎌倉のお店のひとつ」として取り上げていただいています。その際は、番組に出演されているタレントさんなどにキャッチフレーズを付けさせていただいたりもしています。
コピーの発想法を通じて、子どもたちに自分自身のことを知ってもらう特別授業を中学校でやらせていただいたり(冒頭の“ほん怖話”はそのときの実話です)、結婚相談所の会員を対象にした「言葉のチカラを婚活に役立ててもらう」セミナーだとか、就活中の人向けの「(面接や履歴書での)アピール指導」なんかも行っています。
また、鎌倉のお店の様々な商品を取り入れ、各種デザイン、Web展開なども鎌倉のクリエイターや企業などが協力して行い、それら企業名、商品名などをパッケージにクレジットすることで、鎌倉全体の広告としての役割を持たせた“鎌倉のご当地カップラーメン”をつくろうとする「かまくラーメンプロジェクト」という企画も進めています。
これらはいずれも、邪道なのかもしれません。コピーライターは、広告のコピーをひたすら書いているべきなのかもしれません。
でも、僕は、コピーライターのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思うのです。コピーの魅力を、もっともっと知ってもらいたい。それがきっと、コピーライターという職業の可能性を広げ、価値を高めることにつながっていくはず、と思うのです。
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