データが社員のスキルを最大化する
齋藤:店頭に並ぶ商品は、メーカーからの持ち込みと、御社のオーダーで開発されたもの、どちらが多いのですか?
岡田:以前は国際的な展示会に足を運び、商品を仕入れてくることが圧倒的に多かったのですが、最近では海外のメーカーにお願いしてオリジナルの商品を企画開発するケースも増えています。
今は、商品を見る目も要求のレベルも、日本のお客様のほうがずっと高い。現地のものをそのまま持ってきても、満足していただきづらい状況です。当社には、日本のお客様の嗜好によりマッチする商品を積極的に企画開発するバイヤーがたくさんいます。
お客様のニーズを探る上で最近活用し始めたのがID-POS。「何が・いくつ・いつ」売れたかという従来のPOSデータに加え、「誰が」という「人」が見えてきたことで、「エリア」の概念の重要性に気づかされました。
これまでは、どちらかというとプロダクト・アウト的な発想で売場づくりをしてきたのですが、2013年4月にエリアマネージャー制度を導入し、エリアごとに動く組織体制に転換しました。
齋藤:ソーシャルメディア上の声を集約するのも良い方法かもしれません。非構造化データや、ID-POSデータをはじめとする社内にあるデータを掛け合わせることで、優れたセンスや長年の経験を持つ御社のバイヤーに、「お客様がどんな商品を求めているか」というヒントを提供できると思います。
岡田:それは面白いですね。実は、ID-POSで詳細な購買データをとれるようになったことで、社員がクリエイティビティを発揮できなくなるという弊害が出てくるのではと危惧しているのです。
データは、過去から未来を類推する形にならざるを得ず、そこから“突然変異”や“ビッグアイデア”を生み出すのは難しい。店舗数が増え続ける中で、「まずはデータを用いて、マジョリティのお客様の要望を押さえよう」という発想になりがちですが、それだけでは今後の成長は望めません。
永井:自社のファンの声を聞くのはもちろん大切なことですが、世の中全体の「こんなのあったらいいな」「もう少しこうだったらいいのに」といった声を聞くことも、ヒントを得る上では重要です。一見、商品とは直接関係のない数々の声の中から、新しいアイデアの種を探すことができます。
齋藤:自社内のデータに、外部の新しいデータを組み合わせて解析することけ合わせることで、優れたセンスや長年の経験を持つ御社のバイヤーに、「お客様がどんな商品を求めているか」というヒントを提供できると思います。
岡田:それは面白いですね。実は、ID-POSで詳細な購買データをとれるようになったことで、社員がクリエイティビティを発揮できなくなるという弊害が出てくるのではと危惧しているのです。
データは、過去から未来を類推する形にならざるを得ず、そこから“突然変異”や“ビッグアイデア”を生み出すのは難しい。店舗数が増え続ける中で、「まずはデータを用いて、マジョリティのお客様の要望を押さえよう」という発想になりがちですが、それだけでは今後の成長は望めません。
永井:自社のファンの声を聞くのはもちろん大切なことですが、世の中全体の「こんなのあったらいいな」「もう少しこうだったらいいのに」といった声を聞くことも、ヒントを得る上では重要です。一見、商品とは直接関係のない数々の声の中から、新しいアイデアの種を探すことができます。
齋藤:自社内のデータに、外部の新しいデータを組み合わせて解析することで、これまでにない答えが導き出される。それがビッグデータ活用です。そのデータをヒントに、御社のバイヤーのマーケティングスキルや、クリエイティビティを最大限に生かすことができると思います。
岡田:バイヤーが、自分の経験やセンスに基づく判断をする時、背中を押してくれるツールと言えますね。
齋藤:最終的に、アイデアを生み出せるのはやはり人です。バイヤーが立てた仮説を実証するために、外部データを使うという発想が良いと思います。
“見えない”お客様を捉えたい
岡田:今後、どんな業種・業態が自社のライバルとなるのかが見えにくい時代です。その状況下では、買ってくださるお客様はもちろん大事ですが、「買わない理由」も重要だと思っています。
そしてその情報は、今の仕組みの中では全く浮かび上がってきません。サイレントマジョリティをいかに浮き彫りにするかが当社の課題と言えます。たとえば、クリスマスやバレンタインといった特定のシーズンのみ来店するというお客様が一定数いる。どんな訴求をしてみても、その方々は、やはりそのシーズンしか来店しない。その理由が知りたいのです。
永井:PLAZA PASSの会員データを分析し、クリスマスやバレンタインだけ来店されていた方が何をきっかけにロイヤル顧客になるのかを捉えることができれば、属性が近いお客様へのアプローチ方法も明らかになり、効果的な店舗送客につなげられる可能性がありますね。
岡田:我々がお客様に喜んでいただきたいと思って行っていることは、やはりセンスや勘に頼っている部分がまだまだ多い。アプリを通じてお客様の行動ログを集積することは大変重要なことです。
昨今、注目が高まっているDMPについても今後は検討したいと考えていますが、現状ではお客様を集約し切れていないため、様子を見ています。PLAZA PASSの新規会員は1日1000人ペースで増えているとはいえ、売上全体に占める割合はまだ2割強にすぎませんから。
今は既存顧客のデータに傾倒することなく、サイレントマジョリティの動きにも注目しながら、商品開発や売場づくり、店頭集客に生かしていきたいと考えています。
お問い合わせ/株式会社日立システムズ
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