【インタラクティブクリエイティブマスターコース】特別連載
第1回 「宮崎駿監督の引退会見にみる、心を動かすコミュニケーションの変化とは」
――澤邊 芳明(ワン・トゥー・テン・デザイン社長)
第2回 「インタラクティブなクリエイティブの企画の出し方のヒント」
――木下 謙一(ラナエクストラクティブ 代表取締役CEO/クリエイティブディレクター)
第3回 「Co−Creative = 協調型プロジェクトのすすめ」
――阿部 淳也一(ワンパク代表取締役 クリエイティブディレクター)コチラの記事です
第4回 「音楽から考える、理想のクリエイティブ・チーム」
――村田 健一(ソニックジャム 代表取締役 チーフプロデューサー)
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阿部 淳也(ワンパク代表取締役 クリエイティブディレクター)
企業のマーケティングやコミュニケーションに携わるクライアントの方々、エージェンシー、プロダクションなどの皆さんは、日頃どういった仕事の進め方をしていますか?
スマートフォンやSNSなどを使った、デジタルコミュニケーションが一般的になった今、企業が生活者とコミュニケーションしていくには、企業側の覚悟(トップのコミットメント含め)、担当者の熱意、それを支援、推進するチーム(体制)が重要です。
これまでも、今でも、多くの大手企業(クライアント)が広告クリエイティブやメディア出稿を行うため、広告会社などを集めてオリエンし、期限を決めて企画提案を行ってもらいパートナーを決めるという、いわゆるコンペ形式で決めるというのが慣習であり、そこで決まったパートナーの企画ベースに、四半期ごとや半期、年間の広告プランを詰めていくという流れが一般的ではないかと思います。
短期的な広告キャンペーンであれば、戦略も企画も丸投げ、効果が出なければクリエイティブを変えたり、エージェンシーを変えてどこかに責任を押しつければ良かったかもしれません。
しかし、コミュニケーションもチームも毎回変わってしまうようなやり方で、生活者や顧客と中長期にわたり、コミュニケーションを深化させながら関係性を築いたり、それを推進していくためのチーム力は上がるでしょうか?
皆さんが、これから様々な困難に向き合いつつ、コミュニケーションをデザインしていくために、まず考えるべきは、今までの考え方、進め方、やり方を疑い、改めることからかもしれません。
そのためにまずは、クライアント側ではテーマとアウトラインを描くところまでを進め、そこから先の具体的な戦略や施策に落とす部分は、パートナーも含めたチーム全体で企業が抱える本質的な問題点を洗い出し、課題を設定し、ビジネス要件とユーザ的な観点の双方から戦略と施策を立てていく流れが理想だと考えています。
ここで有効なのは、チームでのワークショップでディスカッションを行いながら、戦略・企画をかためたり、詳細の要件を詰めていくという「Co−Creative=協調型」のプロジェクトスタイルです。