アドフェスト2014現地レポート「アジアはクリエイティブを愛してる!ADFESTに見るコ・クリエーションパワー」


【連載「アドフェスト2014現地レポート」】
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・「広告賞から逃げちゃダメだ!

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3月6日~8日にタイ パタヤにて開催された、アジア太平洋を代表する広告祭の一つ「アドフェスト」。同広告祭にセミナーのパネリストとして参加したアサツー ディ・ケイのクリエイティブディレクター藤井 徹さんがレポートします。

藤井 徹(シニア・クリエイティブディレクター/コピーライター)

あれれ?今年のパタヤ、いつもよりちょっと過ごしやすい気候?そんな声がちらほらと聞かれるアドフェスト。はやくも2日目の朝を迎え、会場内は一転、各国の参加者たちが放つ熱気やら言語やらでごったがえしております。

今年の開催テーマは、“ Co-create the Future ” 。コミュニケーションビジネスの世界的な潮流である「コ・クリエーション(共創)」にスポットを当てる狙いとか。その「コ・クリエーション」なのですが、いま実にいろんな形の解釈や試みがあって、まさにこの業界では「台風の目」的なテーマになっています。

「The World’s Biggest Creative Department」と題したセミナーの様子。

生活者とクライアント、広告会社やメディア。こういった既存の関係性や役割を一度ちゃらにしてみることで、あたらしいチャンスが生まれてくる。アジアでもやはりそんな想いが広がっていて、「コ・クリエーション」への流れを後押ししている。広告という産業をいったん初期化するぞ! 広告の神様までもが出てきて、本気でそう激励してくださっている。いま、そんな状況なのではないでしょうか。

今年、個人的に力を感じるエントリー作品に共通するのは、企画のポイントを「課題解決」だけではなく、むしろその前の「課題発見」に置いているものです。アベノミクスに湧く日本もふくめ、アジアというマーケットはクライアントにとっては悩みのタネがつきない場所。

「これを解決したらうまくいくはず」というクライアントが決めた課題に対する解決策をボクらが考えるよりも前に、「そもそもいったい何が課題なのか?」を探り当てる力やセンスが求められている気がします。

課題を解決する鮮やかなアイディア。それはとても大切。でも今年は、見えないジレンマを紐解き、言い当て、ある方向感をもって導線をつないでみせました的なキャンペーンが評価を得る年になるのではないでしょうか。

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