ここでは、『販促会議』2013年12月号に掲載された連載「販促NOW-ツール」の全文を転載します。
美容商品の製造販売を手掛けるティーグラウンドは6月~7月末、プラザ6店舗のショーウィンドウに同社の主力商品「フェイスマスク ルルルン」のマスク型パネルを大量に吊るした。
「キラキラプロモーション」と名付けられたこの店頭ディスプレイは、約1カ月間のテレビCMの放映期間に合わせて実施されたもの。プラザスタイル カンパニー 商品二部H&B課の西崎和子氏によると、同企画の狙いは“毎日マスク”という商品コンセプトの訴求だったという。
「大容量かつ低価格で、“フェイスマスクを毎日使う”という新たな生活スタイルを提案したのがこの商品。その点を視覚的に訴求するため、本物のマスクと同じ形のパネルを7枚×6列並べ、毎日惜しみなく使えるという商品の使用イメージの訴求を目指しました」
このディスプレイは東京・広島・名古屋のプラザ6店舗で展開。
この6店を選んだ理由について、「今回の企画は、コスメのプロモーションで多い使用実感や機能性の訴求ではなく、直感的に“コスメの楽しさ”を伝えられる内容だった。そのため美容ファンだけでなく、より多くのお客さまに見てもらえる店舗の立地や展開場所などを、メーカーと店舗スタッフがともに検討しました」と話す。
特に通行人の目を引いたのが、商品パッケージの特大模型を使った汐留シオサイト店の展示。通路に面したショーウィンドウで実施し、店内も連動して通常より売り場面積を拡大。ウィンドウを見て入店した人が商品をすぐに見つけられるよう、分かりやすい位置で展開した。
その結果、同店における7月の「フェイスマスク ルルルン」の売り上げは、プロモーション開始前の6月に対して3倍以上の伸長となった。また、ディスプレイを設置した初日が、7月中の日別では最高の売り上げを記録した。
西崎氏はこの成果について、「『時短』『美白』などのアピールポイントがあっても、日々のケア自体を“楽しい”と感じてもらえないと美容商品は売れません。今回のディスプレイでは、大容量・低価格という強みだけでなく、ケアの“楽しさ”の訴求にも成功したと思います。また、プラザで扱うフェイスマスク商品の点数はルルルンの発売時に比べて増えていますが、ルルルンの独自性をディスプレイで改めて訴求することで、他商品との共存にもつながりました」と話す。
汐留シオサイト店(写真)のほか、ルミネ池袋店、広島店、名古屋アネックス店、池袋パルコ店、銀座店の6店舗で実施。それぞれ「『毎日マスク』時代はじまってます。」「たった1575円でこんなにうるおう!」というコピーで、大容量・低価格という商品特性を訴求した。
西崎 和子氏(にしざき・かずこ)
プラザスタイル カンパニー 商品二部 H&B課
長年のバイヤー経験を生かし、スキンケア・ヘアケアを中心にコスメの商品戦略を担当。
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