4.New Sensing
SXSW Interactiveで一番注目すべきは、大手企業のブース出展でも著名人のトークセッションでもなく、個人的にはスタートアップ企業のピッチだと思っています。今年のスタートアップのピッチで注目を集めていたのは、ユーザーの生体データをセンサリングして、健康管理に活用するヘルスケア系のサービスでした。例えば、SXSW Interactive Awardのファイナリストに選出されたSensible Babyは赤ん坊にも簡単かつ安全に取り付けられるセンサーと計測アプリケーションを展開していました。
家電大手のフィリップス主催のスタートアップピッチコンテンストでは、アスリートのコーチングを促進する為にトレーニング中のユーザーの動きを測定して、トレーニングコンサルティングを行う手首や腕につけるセンサリングデバイスを開発したATLASやPUSHが注目を集めていました。
また、トレードショウの日本ブースにおいては、手首に装着することによって、自身の動きに合わせて楽しげな音がでるデバイスMoffが展示2日で一気にキックスターターの目標額$20,000を突破していたりしました。
テクノロジーが人に近づいている
全体を通して強く感じたことは、“テクノロジー”が人々に近づき、より身近になってきている、ということ。SXSW 2013が、新しいデバイス・プロダクトが登場した年だとしたら、それらのものを今後どう使っていくか?それらのものを使ってきてどういう課題があったか?というフィードバックを議論し、それに対する解を出し始めたSXSW 2014だったのではと感じました。
今回ご紹介したテクノロジーやサービスの多くは、アイデアでテクノロジーをラッピングすることによって人々が接しやすいコミュニケーションへと変換しています。それらのアイデアを直に目に触れることができたのは、デジタルテクノジー起点の広告・コミュニケーションプランニングに携わる者としてとても刺激になりました。
石塚 賢
スパイスボックス プロトタイピングラボWHITE テクニカルディレクター
1985年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、2008年にイメージソースに入社。デジタルサイネージ、スマートフォンアプリ、インタラクティブインスタレーションの企画・製作業務に従事。カンヌ国際広告賞、東京インタラクティブアドアワード等、国内外の広告・デザイン賞の受賞する案件に携わる。2013年9月よりスパイスボックス入社。プロトタイピングラボ”WHITE”に参加する。
【関連記事】※昨年のレポート記事です
SXSWインタラクティブ2013の生レポート(1/3)
SXSWインタラクティブ2013の生レポート(2/3)
SXSWインタラクティブ2013の生レポート(3/3)